現状認識・課題分析

  • 『エネルギー白書2025』によると、日本のエネルギー自給率は2023年度時点で15.3%であり、G7各国で一番低い水準であると報告されています。

  • 『第 6 次エネルギー基本計画』(2021 年閣議決定)は、2030 年時点の電源構成を LNG 20%、石炭 19%、水力 11%、その他再エネ 25〜27%、原子力 20〜22%と設定していました。また『第 7 次エネルギー基本計画』(2025 年閣議決定)は、2040 年時点の電源構成を 火力3〜4割、再エネ4〜5割(太陽光23〜29%、風力4〜8%、水力8〜10%、地熱1〜2%、バイオマス5〜6%)、原子力2割と設定しています。

  • 2023 年の電源構成の実績は LNG 32%、石炭 29%、水力9%、その他再エネ約 23%、原子力 9%であり、目標との差は依然大きい状況です。加えて、高い割合を占めているLNGについては、地政学的リスクや他国の需要動向から、供給安定性・価格安定性に懸念があります。そのため、日本のエネルギー供給体制としては脆弱性を抱えている状況にあります。

  • エネルギー目標として、2030年・2040年に向けて大きく増加が想定されている電力は、再エネ、原子力と水力です。

    • 再エネの大幅な増加には、国民負担・現実性の両面から大きなチャレンジがあります。

    • 再エネ賦課金による国民負担は、2024年度見込みで2.7兆円、2025年度見込みで3.1兆円に達しています。追加的な再エネ導入は国民負担の増加に繋がります。

    • 太陽光の導入量は国土面積当たりで既に世界上位水準(ドイツと同程度)にあるため、大幅な追加余地は住宅や建物屋根などに限られます。

    • 太陽光・風力が急増する場合は、蓄電池など調整力の同時整備を怠ると系統安定性が低下する懸念があります。

    • 原子力は安全審査を経た再稼働が進んでいますが、2030年度の再稼働想定実現に向けては、手続きや地域合意プロセスに改善の余地があります。

    • 水力は、日本にとって貴重な自然エネルギー資源です。現状は、 1957 年制定の多目的ダム法ベースの保守的運用が主流で、最新技術を活用した出力増強の余地があります。

  • 石炭、LNGの両火力発電は、縮小運用が前提となる中、老朽化による供給力低下が夏季ピーク時の需給逼迫を招いています。

  • LNG 輸入費は 2023 年で約 6.5 兆円に上り(輸入総額の約 6%)、2024 年通年の貿易赤字 5.3 兆円を上回る規模であることから、AIによる電力需要増大期に当たっても発電規模維持・拡大には慎重な判断が必要となります。

議論されているトピック

再生可能エネルギーの推進表現を強化する

日本の地理的制約に関する消極的な記述を削除し、洋上風力や地熱発電の開発、蓄電池および送電網の整備を最優先で推進する表現に改める。再生可能エネルギーの導入を阻む表現を排除し、日本に適したエネルギー源の活用と基盤整備を強力に進める姿勢を明確に打ち出すことを提案している。

原子力活用に向けた全国的な対話活動を実施する

原子力発電の活用にあたり、国が主導して全国の自治体や教育機関を対象とした広範な説明・対話活動を実施することを明文化します。一部の立地地域にのみ負担が集中する現状を改善し、核燃料廃棄物の処分問題などを含めた国民的な理解を醸成することで、風評被害の低減と政策に対する信頼性の確保を目指します。

周波数変換設備や連系線の増強を加速する

東日本と西日本の周波数の違いによる電力融通の制約を解消するため、周波数変換設備や地域間連系線の整備を加速させる提案です。日本全体の電力需給の安定化や災害時のレジリエンス強化を目的としており、広域的な電力融通能力を向上させるためのインフラ投資を政策として明確に位置付けることを目指します。

みんなからの提案(8件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

方針への異議2026年1月28日

「現状認識・課題分析」の原子力に関する記述において、過去の事故で『安全神話』を優先しリスクを軽視した構造的問題が国民の不信感の一因である点を明記する。また、一方的な安全性の強調や教育現場での刷り込みを否定し、残存リスクを含む科学的根拠に基づいた情報の公開と、誠実な対話のプロセスを課題として追加する。

理由: 過去の原発事故における組織的な隠蔽体質や『安全神話』の押し付けが国民の不信感を招いているという実体験に基づいた強い問題意識があり、単なる賛否の議論を超えた具体的かつ透明性の高いガバナンスへの転換が必要だと考えているため。

方針への異議2026年1月28日

「現状認識・課題分析」に、大規模集中電源が特定の地域に集中し大消費地を支える構造が、災害時の供給断絶や地域の安全上のリスクといった『エネルギー供給体制の脆弱性』であることを追記する。また、政策概要の『柔軟なグリッド運用』の項目に、特定地域に依存しない『エネルギーの地産地消』や『自律分散型電源の普及』を明記し、地域主体のエネルギー基盤構築を推進する方針を追加する。

理由: 立地地域の住民として、都会の電力を地方がリスクを抱えて支える不均衡や震災の教訓から、特定地域への依存を脆弱性と捉え、自律分散型のシステムへ移行すべきと考えたため。

内容の追加2026年1月27日

元の記述の後に「現在は系統用蓄電池の普及が爆発的に進んでいます。そのため、一日の中での需給バランスなどの課題は早期に解消される見通しであり、こうした懸念は一時的なものと考えられます」という趣旨の内容を追加・修正する。

理由: 系統用蓄電池の急速な普及という実態を反映し、系統安定性の懸念が恒久的ではなく一時的なものであるという見通しを明確にするため。