1.教育
教育政策ビジョン:未来を担う「人」に大胆に投資する
国家の100年先を見据えた成長を考えるとき、私たちが守るべきは目先の米ではなく、未来を創る「人」への投資です。幕末、長岡藩の小林虎三郎が救援米を教育の原資に変えた「米百俵」の精神に学び、今こそ教育予算への大胆な投資を断行します。私たちは、AIをはじめとする最先端テクノロジーと制度改革を掛け合わせ、すべての子どもたちが好奇心を爆発させ、自らの手で未来を切り拓ける社会を目指します。
1. 子どもたちの可能性を解き放つ、オーダーメイドの学びへ
これまでの教育制度は「年齢」という管理しやすい変数に基づき、画一的な指導を行ってきました。しかし、子どもたちの習熟度や興味、特性は千差万別です。私たちは、AIを人間の手間を増やさずに複雑なシステムを運用する「パートナー」として実装し、一人ひとりに合わせたオーダーメイドカリキュラムを実現します。 そのために、標準授業時数を柔軟化(大綱化)し、AI学習アシスタントをすべての子どもに届けることで、15歳で高校卒業レベルの基礎知識を習得し、早期に大学や社会で活躍できる「日本版飛び級制度」を構築します。AI時代に育むべきは、正解を出す力ではなく、新しいことを「はじめる力」です。デジタルでの個別最適化学習と、リアルな場での探究活動やSTEAM教育を最適に組み合わせ、子どもたちの好奇心を最大化します。
2. 先生と家庭を支える、温もりのあるデジタル基盤を
教育の質を左右するのは、子どもたちに最も近い大人である先生方の情熱です。私たちはITとAIを駆使して教員の働き方を根本から変革し、先生方が本来の専門性を発揮して子どもと向き合える時間を創出します。業務の「やめることリスト」を徹底し、校務や保護者対応をデジタル化することで、精神的・時間的な余裕を取り戻します。 また、テクノロジーは孤独な子育てや、見えない困窮を救う盾となります。教育、福祉、医療のデータを個人情報をしっかりと守りながら連携させ、AIが困難の兆候を早期に検知して支援を提案する「プッシュ型支援」を確立します。自ら声を上げられない子どもや家庭を誰一人取り残さない。デジタル化は効率化のためだけではなく、一人ひとりに寄り添う「温もりのある支援」を届けるために推進します。
3. 教育の“バグ”を直し、国家の成長戦略としての投資を
私たちは、長年放置されてきた教育制度の構造的な課題、すなわち「制度のバグ」を一つずつ丁寧に解消していきます。例えば、公立高校入試の「一発勝負」によるリスク回避行動を防ぐため、ゲーム理論を用いた「デジタル併願制」を導入し、経済状況に関わらず志の高い挑戦ができる環境を整えます。また、行政・地域が一体となって教育環境を刷新できるように、教員の配置のあり方を見直します。さらに、社会教育施設のDXを進め、国立国会図書館や大学図書館をすべての国民に開放し、知のアクセス格差を是正します。 これらの改革を支えるのは、客観的なデータに基づく政策立案(EBPM)と、世界最高水準のEdTech環境を整えるための大胆な財政投入です。教育への投資は「消費」ではなく、将来の経済成長として戻ってくる「賢い投資」です。AIによる業務効率化で生んだ財源に加え、教育国債の導入を検討し、諸外国に引けを取らない投資水準を確保します。未来への投資こそが、人材立国としての日本の勝ち筋であると確信しています。
1. 子どもたちの可能性を解き放つ、オーダーメイドの学びへ
1-1. オーダーメイドカリキュラムを届けます
- 現状分析:子どもたちは、学習の進度や興味関心、認知特性が多様です。チームみらいでは、今後の教育は、より一人ひとりに合わせていくことが重要だと考えています。一方で、現在のカリキュラムは「年齢」が唯一の変数になって編成されており、柔軟性に欠けています。
- 目指す姿: 子どもたちの学習進度や興味関心、認知特性の多様性を前提とし、従来の「年齢」を一律の基準としたカリキュラム編成から、一人ひとりの個性に合わせた教育へ転換します。
- 政策1_標準授業時数の柔軟化(大綱化): 学年・教科ごとに厳格に定められた現在の「標準授業時数」を見直し、諸外国(2学年単位の韓国や、総時間のみ規定するオランダ等)の事例を参考に、AIによるオーダーメイドカリキュラムに対応できる柔軟な制度(大綱化)を目指します。
- 政策2_教育コンテンツと学習指導要領の紐付け: 既にコード化されている学習指導要領を、各社の教科書やデジタル教材等の教育コンテンツと密接に連携させ、個々の児童生徒の学習履歴(スタディ・ログ)を詳細に記録・活用できる基盤を整備します。
- 政策3_客観的なデータに基づく教育の質保証: 制度の柔軟性を高める一方で、義務教育としての質を担保するため、イギリス(教育水準局)やオランダ(教育監査局)の事例を参考に、義務教育終了段階等での到達度チェックを実施し、得られたデータを教育改善に役立てます。
- 政策4_多様な学びの選択肢と環境整備: 不登校の児童生徒も含め、誰もが学びを継続できるよう、AI等を活用した在宅学習やフリースクールでの学習環境を支援します。
- 政策5_オンラインを活用した社会性と評価の確立: コロナ禍で得た知見を活かし、オンライン上での交流を通じて社会性を育む機会を提供するとともに、在宅学習における適切な学習評価プログラムを構築します。
- 【参考データ・事例】日本の小学校・中学校では、学年軸・教科軸の双方に柔軟性がなく、各学年・各教科で何時間の授業が必要かが決まっています。 他方、日本並みに厳格な制度の韓国でも、2学年まとめた規定となっており、日本よりは柔軟です。もっとも制度が柔軟なオランダでは総学習時間だけ決まっており、何を何時間学ぶかは学校・子どもに合わせて決められます。(出典:経済産業省資料)
1-2. 子ども一人ひとりに「専属のAIアシスタント」を届けます
- 現状分析:PISA調査(2022年)における日本の子どもたちの学力は世界トップクラスですが、近年ではそれを維持しながらも、変化の激しい時代に「探究する力」が求められています。同時に、昨年の自殺者数を見ると、児童・生徒では過去最多の529人となっており、子どものメンタルヘルスケアも大きな問題になっています。しかし、ボランティア相談員による「いのちの電話」は、ごく一部しかつながらない、相談員の負担が大きいなど、問題を抱えています。
- 目指す姿:AIにより、人間では難しかったきめ細やかな教育・支援を実現します。AIが定型的な指導や個別サポートを補完することで、教員と子ども双方に時間の余裕を生み出し、対面でしか育めない社会性や協調性を養う活動に、より注力できる環境を整えます。
- 学びの個別最適化「AI学習アシスタント」: 子ども一人ひとりの習熟度や興味関心を把握し、計算や英単語などの基礎習得は効率的に、答えのない探究活動では問いかけを通じて自己決定を促すなど、状況に応じた最適な学習サポートを提供します。
- 計算練習や英単語学習などのドリル的な活動では、個々人の習熟度に合わせたものを効率よく学ぶことができます。
- 答えのない探究的な活動では、AI学習アシスタントは答えを提示せず、子どもに対して問いかけたり関連する情報を提示したりしながら、子どもの自己決定や自己理解の深化を促します。
- これらの学習情報を、必要に応じて、保護者や教員、さらには校種を越えて共有することで、より包括的なサポートが可能になります。
- 【参考】シンガポールでは「Adaptive Learning System」を導入し、生徒一人ひとりに合わせた学習支援を進めています。 またスタンフォード大学の「Tutor CoPilot」実験では、AIが提供するヒントによりチューターの指導力が補完され、生徒の習熟度が大幅に向上しました。 (出典:先端教育オンライン)
- アクセシビリティの向上「インクルーシブAI」: 多様な学習ニーズ(教科の得意不得意、発達障害、不登校、読字の困難さ、外国籍で日本語学習中の生徒など)を持つ生徒もサポートします。たとえば、教材への自動ふりがな機能は、読字に困難のある生徒や日本語学習中の生徒の読解を助け、学習内容の理解を促進します。
- 【参考】小・中学校における不登校児童数は30万人に迫る勢いです。 2022年度の実績で不登校児童・生徒数は299,048人で全体の3.2%となっています。 現時点でも公教育の学び方にあっていないお子さんが増えてきています。
- 支援の多層化「AIメンタルアシスタント」: より日常的な愚痴や相談が(匿名でも)24時間365日できる相手であり、内容の深刻度に応じて、具体的なアドバイスの提供や、関係する専門機関につなぐ窓口といった役割も果たします。
- デリケートな相談内容の扱いなど、解決すべき課題はありますが、前述の「いのちの電話」がつながりにくい現状や、親にも教員にも相談しづらい思春期の子どもの特性を考えると、こうしたAIの導入にはメリットがあると考えます。
- 実現に向けた方針:基本的な方針として、「危険性が完全に取り除けないからまったく使わない」ではなく、「安全に使える部分はどこなのか」「安全に使うためにどんなことを注意すべきなのか」を丁寧に分析・実装しながら、新たなテクノロジーを使いこなしていきます。
- 実現の方法1_AIの整備: ChatGPT等の既存ツールを先行導入し、地域や学校種別の偏りがないパイロット校での試行を通じて運用モデルを確立するとともに、保護者との丁寧な合意形成や教員研修、厳格な安全措置を並行して実施します。
- AI開発の初期段階から、学習障害を含む様々な特性・学習ニーズを持つ子どもたちやその保護者、教育・福祉の専門家など、多様な関係者へのヒアリングを徹底し、具体的なニーズを詳細に把握することで、誰一人取り残さないAI活用を実現します。
- パイロット校選定にあたっては、地域(都市・農村)・規模(大規模・小規模)・学校種別(公立・私立・義務教育校・特別支援校)が偏らないよう配慮し、得られたフィードバックをもとに全ての学校で運用可能なモデルを確立します。
- 保護者向けの説明会や情報提供を積極的に行い、懸念や疑問に丁寧に答え、合意形成を図るプロセスを重視します。
- 実現の方法2_リスク管理体制の確立:「いかに安全に使いこなすか」という視点に基づき、不適切なコンテンツへの制限やガイドラインの継続的な改善を通じて、テクノロジーを積極的に教育へ取り入れます。
- 文科省とデジタル庁が連携して、義務教育で使うAIが満たすべき仕様を定め、民間で開発してもらい、仕様を満たしたものだけ学校に導入出来るようにします。
- 教師がAI出力の妥当性を判断・補完する必要があるため、教師向けのガイドラインやフィードバックツールを提供し、また教員研修を通じて、AI出力の正確性や信頼性の判断能力を向上させます。
- 実現の方法3_データ利活用体制の整備: 学習履歴を校種を越えて共有できる基盤を構築しつつ、秘匿性の高い情報は政府保有のクラウドやオフライン環境で管理するなど、プライバシー保護と安全なデータ活用を徹底します。
- 今後AIの性能が上がってきた場合には、特に秘匿性の高い情報については、オフライン環境でも扱えるような仕組みを構築することも検討します。
- 不適切なコンテンツへのアクセス制限、プライバシー保護などの懸念事項は、文部科学省とデジタル庁とが連携し、AIの仕様およびデータ使用のガイドラインを定めることで、子どもや保護者が安心して使える環境づくりに努めます。
1-3. 子どものAIリテラシーを育み、AIと共に暮らす未来を切り拓きます
- 現状分析:AIは、これからの時代ますます使われるようになっていきますが、現状では誤りや偏りのある回答をすることもあり、使い方によって毒にも薬にもなります。これからの時代を生きる子どもたちは、AIリテラシーを育むことにもっと時間を使う必要があります。現状、文部科学省は「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」を策定しており、子どもたちのAIリテラシー向上に向けて乗り出していますが、AIについて学ぶ時間の増加や教材作成までには至っていません。
- 目指す姿:各学校段階において、子どもの実態に即して、「現状の枠組みの中でできる取り組み」「新たな枠組みの発展的な取り組み」の双方を行います。
- 政策1_現状の枠組みの中でできる取り組み:道徳の時間に生成AI倫理を扱ったり、総合的な学習の時間に生成AIの使い方や注意点を学んだりします。教員の負担を可能な限り低減するため、学習コンテンツを政府主導で高頻度に開発し、学校に提供します。保護者世代のリテラシーを育むための啓発教材も作成し、必要に応じて学級・学校・自治体単位での研修をサポートします。
- 政策2_新たな枠組み_教科「情報」の新設:中学校に教科「情報」を新設します。中学校には技術・家庭科があり、情報に関する教育内容はそこに含まれています。しかし中学校「技術・家庭科(情報分野)」は標準時数が3年間で70時間しかありません。時間が圧倒的に不足しているため、教科として新設し、授業時間を増やします。
- 政策3_新たな取組み_AIに特化した先進校の設立:AIに特化した先進校的な高校(Super AI High Schools:SAIS)を設立します。高校は情報Iが2単位必修となっていますが、よりAIの利活用に特化した学校をつくり、そこに尖った才能や興味のある生徒を集めます。方法としては、学校現場と民間企業がタッグを組んで国に申請することを検討し、制度枠組みとしてはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)を土台にします。
1-4. 子どもたちの好奇心と「はじめる力」を育むための教育に投資します
- 現状分析:日本の子どもたちは極端な安定志向・失敗回避傾向にあり、アントレプレナーシップが失われ、社会を変えられると思う子どもが極めて少なくなっています。その背景として、アントレプレナーシップを育むために大切な体験格差(ハンズオン経験の格差)が許容できないレベルになっています。 体験格差の影響をうける子どもたちの数は3割ほどに及ぶ可能性があり、政府による支援が必要です。
- 【参考】18〜29 歳の若年層でも「起業関心層」は 27 % にとどまっています。
- 【参考】文科省の調査によれば、家庭の経済力によらず、学校外の体験が自尊感情にポジティブな影響を与えます。
- 【参考】Chance for Childrenの調査によると、学校外の教育機会は、家庭の経済力とリンクしており、体験格差につながっています。校外の学びの機会に参加しなかった割合が多く、保護者が関わらなくてよいプログラムの充実と情報格差が課題になっています。公的機関が行う行事への参加状況として、「参加しなかった」が全体の46.8%です。経済力以外にも、保護者の価値観や関心により、子どもが触れられる体験が左右される傾向にあり、結果として子どもたちが自分に合った体験に出会うことが難しいという課題も存在します。(出典:Chance for Children報告書)
- 目指す姿:子どもたちが好奇心をもち、新しいことをはじめる力を育成できるよう、教育環境をアップデートします。
- 一方、国内外で子どもが最先端テクノロジーに触れられる公設機関が存在しています。
- 国・自治体とハイテク企業・財団が開設した、最先端の科学が学べる幼稚園・放課後学習支援施設が存在します(米国・英国など)。
- 政策1_STEAM児童館・部活を全国に展開:STEAM活動(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)に触れられる新世代児童館(小学生)・部活(中学生・高校生)を全国に展開し、放課後に子どもたちが探究に没頭できる環境をつくります。そのために、基礎自治体が新世代児童館に拡充する際に助成し、転換を促進します。
- 【参考】日本国内でも、子どもが放課後に最新のテクノロジーに触れられる公設民営型施設がある地域もあります(徳島県松茂町など)。こうした施設では小さいうちから、3Dプリンターをはじめとした最新のテクノロジーに触れることができます。そうした時期から遊び感覚で触れる中で、突破力のある人材が育ちます。
- 政策2_学校外教育システムとのマッチングサービスを開発:文科省・デジタル庁の連携により、学校外教育システムをワンストップ化で紹介します。子どもたちの認知特性・興味に基づいて、最適なプログラムが選択できるようにします。体験学習クーポン(政策3)をシームレスに活用できる仕組みとし、保護者の負担を極力減らします。
- 政策3_体験学習クーポンを配布:体験格差の是正を目指し、体験学習につかえるクーポンを配布します。クーポンの配布先を決める際、世帯年収は一つの変数ですが、子供の人数によっても一人当たりにかけられる費用は変わるため、多子世帯にも配慮するなど、ほかに重要な変数がないか検討し、なめらかな制度とします。誰を対象にどの程度の補助を行うかについては慎重な検討が必要なので、適切な支援額を設定するために、文部科学省と連携した包括的な調査を行い、体験格差の実態を把握します。その上で、個別の世帯に応じた最適な支援スキームを決定し、体験学習クーポンを支給します。
- 【参考】経済産業省「未来の教室」実証事業では、体験学習クーポンを長野県で配布した事例があり、配布対象の62.6%がシステムに登録し、そのうち74.7%が利用していました。子どもの回答では、約40%が「新しいこと・やってみたかったことにチャレンジ」できたことを評価し、年収が低い世帯ほど高評価でした。(出典:経済産業省「未来の教室」実証事業報告書)
- 【参考】Chance for Childrenの調査によると、学校外の体験がない子どもの割合は、世帯年収600万円以上(約10%)と比べ、300-599万円は2倍(約20%)、300万円未満だと3倍(約30%)になっています。また子どもがやってみたいと思う学校外の体験をさせてあげられなかった理由として、300〜599万円世帯の43%、300万円以下の世帯の56.3%が保護者の経済的な理由をあげています。
- 【参考】児童(約600万人)がいる世帯のうち年収600万円以下は35.4%(約210万人)、年収300万円以下は10%(約60万人)存在しています。(出典:学校基本調査、国民生活基礎調査)
- 【参考】文部科学省での調査では、小学生のときの体験活動への参画が、高校生まで影響することが指摘されており、小学生段階での支援が重要だと考えられます。 参考リンク
1-5. 日本版飛び級制度の導入
- 現状分析:日本は、経済停滞と少子化という二つの深刻な課題に直面しています。IT・デジタル化への対応の遅れは経済成長を阻害し、AIの台頭による世界の教育レベルの急速な向上は、日本の「人材立国」としての地位を危うくしています。また、女性の社会進出と出産適齢期の「ズレ」は少子化を加速させており、この構造的な問題は教育システムを含めた社会全体の改革なしには解決できません。現在の画一的な教育では、個人の可能性を最大限に引き出し、多様な自己実現を早期に支援することが困難であり、これが少子化や経済低迷の一因となっています。
- 【参考】たとえば中国に本拠地を置くSquirrel AI Learningは、膨大な生徒のデータベースを用いてAIアルゴリズムを訓練し、個々の生徒に合わせた授業計画をカスタマイズしています。2019年までに、アジアの200都市に2,000の学習センターを展開し、100万人以上の生徒にサービスを提供しています。
- 目指す姿:個人の可能性を最大限に引き出し、より早期に、より多様な自己実現を可能にできるようなパスを用意します。具体的には、20歳卒業時点で、大学院博士課程レベルの研究を行う者や、起業により社会に貢献しながら自立した生活を送る者が多数輩出されることを想定します。 これにより、個人のライフプランとキャリア形成の調和を図り、結果として、誰もが希望するタイミングで家庭を築ける環境の整備に貢献します。ただし、こうしたパスは子ども自身が望んだ場合のみ選択できるようにします。
- 政策1_ 義務教育学校(小中一貫校)での早期高密度教育:AI によるアダプティブラーニングを全面的に導入します。個々の習熟度に応じた柔軟な学習進度を可能にし、15歳で従来の高校卒業レベルの基礎知識・技能の完全習得を目指します。国際バカロレアなどの探究型・自律型学習メソッドを取り入れ、自発的学習力や探究スキル、メタ認知能力を育成します。15歳段階で、高校卒業相当の学力があるか、「高等学校卒業程度認定試験」により判定します。
- なお、良質なAIアダプティブラーニングが全国的に展開できた場合、従来塾や高額な教材に頼ってきた個別最適化された専門的な指導を、公教育の中で提供することができ、家庭の教育費負担を軽減できる可能性があります。
- 政策2_高等専門学校(専攻科)・大学への飛び級入学:15歳で高校修了程度と認定された子どもたちが高等専門学校(専攻科)や大学に飛び級で進学し、先進的な施設やカリキュラムを活用して、実践的な研究や起業、社会貢献活動に集中的に取り組める環境を提供します。
- 政策3_徹底した支援環境構築:国、地方自治体、大学・研究機関、民間企業が連携する「産官学コンソーシアム」を組織し、各分野の専門家によるメンター制度を導入します。 活動資金支援、メンタルヘルスサポートに加え、早期に家庭を持つ若者への育児支援(託児施設併設など)を検討し、キャリア形成と出産・育児の両立を支援します。
- 留意点:考えられる課題とその解決策の方向性は以下の通りです。
- 制度的障壁(学校教育法等) :教育特区制度の活用、文科省との連携による実証事業としての推進、段階的導入と成果検証。
- 心理的・発達的課題:認知的発達だけでなく、社会的・情動的スキル(SEL)の育成プログラム導入、メンター制度やカウンセリング体制の充実。
- 教育の質保証:国際的な標準学力テスト(PISA等)への参加、ポートフォリオ評価、第三者機関による認証などを組み合わせた多角的な評価システム構築。
- 社会的受容性:保護者、大学、企業等への丁寧な説明と合意形成、段階的試行とその成果の透明な公開。
- カリキュラム設計の複雑さ:学習科学の専門家、AI研究者、現場教員からなる専門チームによる継続的なカリキュラム開発・改善。
2. 先生と家庭を支える、温もりのあるデジタル基盤を
2-1. デジタルによる教員の働き方改革を進めます
- 現状分析:2024年度、年度当初時点で2割の学校で教員不足が生じているなど、教員不足は全国的に深刻な問題です。その背景には教員の多忙化があります。
- 【参考】OECDのTALIS調査(2018年)によると、日本の教員の労働時間は長いにもかかわらず、授業にあてられる時間は短く、学校の先生が本質的なこと以外に時間を使ってしまっています。 小学校では 54.4 時間/週(OECD平均は40.6時間/週)。中学校では56.0時間/週(OECD平均は38.3時間/週)。そのうち授業に充てられるのは、中学校で18 時間程度で世界最短水準です。
- 目指す姿:AIなどの新たな技術を導入するにあたって、まずは教育現場の現行の課題を包括的に洗い出し、教員の業務効率化を徹底することで、新しい取り組みへ対応できる基盤を整備することが不可欠です。
- 政策1_やめることリストを徹底的に進める: 2025年5月に策定された「教育DXロードマップ」では「12のやめることリスト(デジタルに変えること)~教師が学習者に向き合う環境を実現するために~」がすでに示されており、こうしたビジョンはまさに「デジタル時代の当たり前」であり、迅速かつ徹底的にやりきるべきと考えます。
- 政策2_デジタルによる業務改革:IT/AIツールや追加の人員配置により、教員の授業外業務を削減します。補助金等を活用し、校務支援ツールを積極的に導入します。 各自治体の教育委員会にデジタル推進のケイパビリティをもつ職員がいない場合に、政府から人員を派遣し、地方も含めて各校への円滑なテクノロジー導入を支援します。
- 【参考】AIによる授業準備支援の成功事例は、すでに他国で出てきつつあります。イギリスでは、教員向けのAIアシスタント「Aila」プロジェクトが進められています。そのパイロット版の調査では、教材作成における負担軽減と質の向上、そして教師の全体的な業務負担の軽減に貢献した実績が報告されています。
- 政策3_学校支援・先生支援AIを開発:生徒の個人情報を安全に扱うことのできるAIを配布することで、教職員が広範な業務にAIを活用できるようにします。
- 外国にルーツのある子ども・家庭への多言語での情報のやり取りは、現状のAIで十分手軽に実行可能です。
- 短期的には、出欠連絡や学校からのお知らせ、保護者とのやり取りなどの校内業務を、スマートフォンやPC上で完結させるツール(すでに民間事業者によるものが複数存在)を各校に導入します。
- いじめ等の問題発生時の対応マニュアルなどを読み込めるAIを配布します。 経験の浅い教員であっても、被害生徒・加害生徒、および各ご家庭へのより迅速かつ適切な対応が可能になります。
- 政策4_保護者対応のデジタル化:保護者からの問い合わせや要望は、原則として全て録音・テキスト化し、対応記録としてデータベースに保存します。これにより、情報を学校全体で共有し、より適切な対応につなげます。 また、不当・過大な要求から一人ひとりの教員を守ります。さらに、 対応事例の共有を通じて、全国の類似事案への対応力を向上させます。
- 展望_中長期でのデジタル化:中期的には、調査書や学習指導要録など、校種をまたいだ申し送り事項もデジタル化します。 長期的には、諸外国の事例も参考に、国産AIを用いた授業準備・評価・教材検索ワンストップツールを開発し、教材作成にかける労力を大幅に削減することを目指します。
- 政策5_教職員のAIリテラシー向上:日々進化し続けるAIの使い方を学ぶ機会を設け、採点や宿題のチェック、教材の準備など、AIで効率化できる業務はどんどん手放します。 文部科学省のリーディングDXスクールなどの、学校全体での取り組みで参考になるものも、さらに積極的に広めていきます。 都道府県教育委員会等と連携して、これからの教員に求められる人物像に合わせた、教員採用試験のアップデートにも努めます。
2-2. 子ども・家庭をプッシュ型で支援
- 現状分析:子ども・家庭が抱える課題は、経済的な困窮、学習の遅れ、不登校、いじめ、発達上の課題、ヤングケアラー問題など極めて多岐にわたりますが、表面化しにくく、支援のニーズが見えていないことも少なくありません。 現状、支援を必要とする子どもや家庭へのアプローチは、各機関(学校、教育委員会、福祉部局、医療機関、地域の子育て支援団体など)が個別に情報を把握し、対応することが一般的です。こうした縦割り型の支援体制下では、情報連携が不足し、必要な支援が迅速に届きません。また、自ら声を上げることができない子どもや家庭の潜在的なニーズを見落としてしまいます。さらに、複数の機関が関わる中で、支援内容の重複や漏れが発生します。情報の収集・分析、関係機関との調整、個別の支援計画の策定などで教職員や支援者の業務負担が増大する ことも考えられます。
- 目指す姿_プッシュ型支援:AIを活用すれば、あらかじめ問題を検知し、情報お届け・提案型の個別で、行政から積極的に問題解決のための行動を起こすことができます(プッシュ型支援)。
- 政策_プラットフォーム構築: 多機関連携型のデータプラットフォームを構築します。学校(出欠席、学習状況、面談記録など)、教育委員会(不登校相談、いじめ事案記録など)、福祉部局(生活保護、児童手当、子育て相談記録など)、医療機関(健診データ、発達相談記録など)、その他地域の子育て支援団体などが持つ匿名化・非識別化された関連データを、高いセキュリティ基準のもとで一元的に集約・連携するプラットフォームを構築します。
- 政策3_データ分析・プッシュ型支援:構築されたデータプラットフォーム上の情報(たとえば、欠席の増加、特定の科目での成績低下など)をAIが複合的に分析し、いじめや不登校の兆候、家庭内の変化、学習上の困難、心身の不調など、支援が必要となる可能性のある子どもや家庭を早期に抽出します。 AIによる分析結果に基づき、支援のニーズが推定される子どもや保護者に対し、個別化された情報を提供します。
- 子どもの学習面での支援が推定される場合、地域の子ども向け学習支援教室の情報やオンライン教材の紹介を、保護者向けには経済的支援制度や子育て相談窓口の情報を、最適なタイミングでデジタルツール(例:保護者向けアプリ、LINE公式アカウント)を通じて自動配信します。
- 特定の状況に応じて、学校の担任教員やスクールソーシャルワーカー、地域の民生委員など、信頼できる人物からの個別連絡をAIがレコメンドし、より丁寧なアプローチを促します。これにより、情報提供と人間による直接的な橋渡しを連携させます。
- AIが検知したニーズや、これまでの支援事例データを分析することで、子どもや家庭の状況に合わせた最適な支援メニューや支援機関を提案する機能を開発します。これにより、教職員や支援者が限られた時間の中で、膨大な支援情報の中から適切なものを探し出す手間を省き、より質の高い支援計画を迅速に立案できるよう支援します。
- AIによる情報集約、分析、提案機能は、教職員や支援者の事務的・情報収集の負担を大幅に軽減し、経験の浅い教職員でも質の高い支援を提供できるようになります。 過去の成功事例や類似ケースの支援経過をAIが提示することで、支援のノウハウを共有し、全体の支援レベルの向上を図ります。これにより、教職員はデータの分析や書類作成に費やす時間を減らし、子どもや家庭との直接的な関わり、個別支援の実践、専門的な判断といった、人間ならではの業務に集中できるようになります。
- 政策_プライバシー保護:情報提供に際しては、匿名性やプライバシー保護を最優先とし、情報を受け取る側が不安感・不快感を抱かないよう、情報提供の目的や利用されるデータの範囲について明確に説明します。
- 個人が特定できない形でのデータ連携を徹底し、プライバシー保護を最優先とします。必要な場合は、個人情報の利用目的を明確化し、保護者の同意を十分に得るプロセスを導入します。
- AIの分析結果は、支援の必要性に関する参考情報として、関連する教職員や支援者にのみアラートとして通知され、その後の専門職による判断や具体的な介入につなげます。
3. 教育の“バグ”を直し、国家の成長戦略としての投資を
3-1. 高校入試にデジタル併願制を導入します
- 現状分析1_公立高校入試の一発勝負のリスク: 現行の入試制度では選抜機会が一度しかないため、不合格を恐れて実力相応、あるいは挑戦的な志望校を諦めてしまう傾向があります。
- 現状分析2_高校入試におけるリスク回避行動:生徒が本来の能力を発揮できる学校ではなく、ランクを下げた志望校選び(「攻めの受験」の回避)が常態化しています。
- 現状分析3_高校入試による教育格差の拡大: 経済的理由で公立高校しか選択肢がない家庭ほど、不合格のリスクを避けるために志望校を下げざるを得ません。これが教育格差の一因となっています。
- 目指す姿:経済的に困窮する家庭の生徒がリスクを恐れずに挑戦できる環境を整え、意欲ある学習者の機会損失を最小限に抑えます。
- 政策_デジタル併願制の導入制度の概要: 受験生が複数の公立高校を第1志望、第2志望…と順位をつけて登録できる仕組みを構築します。 受験生の希望順位と成績に基づき、合格可能な学校の中で「最も志望度が高い学校」にシステムが自動でマッチングを行います。この仕組みを導入することで、公立高校進学を強く希望する生徒に対し、一度の試験で複数のチャンスを提供し、不合格による進路喪失を防ぎます。
- 展望1_大学入試制度への横展開: 高校入試での実績を足掛かりに、将来的に公立大学入試など、他の公立教育機関の選抜試験への応用を目指します。
- 展望2_他のマッチングへの横展開:マッチング以外にも、以下のようなアルゴリズム活用による教育の質向上を検討します。 個々の学習進度に最適化された「教材推薦アルゴリズム」 、支援が必要な生徒を早期に発見する「スクリーニング・アルゴリズム」等。
- 【参考】技術的背景と理論 DAアルゴリズムの活用: この仕組みは、ゲーム理論においてノーベル経済学賞の対象ともなった「DAアルゴリズム(受入保留アルゴリズム)」を基礎としています。学術的に実証された手法を用いることで、個人の主観的な不安に左右されず、公平かつ効率的な学校配分が可能になります。
3-3. 基礎自治体の創意工夫を活かす「教員人事権」の部分的委譲
- 現状分析: 現在、公立小中学校の教員の人事権(採用・配置)は主に都道府県教育委員会にあり、基礎自治体(市区町村)の意向が十分に反映されにくい構造になっています。その結果、自治体が「AI教育に力を入れたい」といった独自の教育ビジョンを掲げても、それに合致する専門性を持つ人材を主体的に確保・配置することが難しく、確保できても持続可能性がありません。その結果、地域ごとの創意工夫が阻害されています。
- 目指す姿: 教育の主体を地域住民に最も近い基礎自治体へと戻し、地域の特色やニーズに即した「尖った教育」を可能にします。都道府県による広域的な質保証と、基礎自治体による柔軟な人材活用を両立させる「ハイブリッド型人事システム」を構築します。
- 政策1_「地域枠・スペシャリスト枠」の創設: 都道府県が管理する全体の定数のうち一定割合を、基礎自治体が独自に選考・配置できる「地域イノベーション枠」として開放します。これにより、特定の技術(AI、英語、芸術等)を持つ外部人材や、地域の課題解決に意欲を持つ人材を自治体主導で登用可能にします。
- 政策2_自治体間の「人事マッチングプラットフォーム」構築: 教員の希望と自治体の教育ビジョンをAIでマッチングするシステムを導入します。これにより広域での人事慣行を維持しつつも、教員が「自分の専門性を活かせる自治体」を逆指名できる仕組みを整え、意欲ある教員の適材適所を実現します。
- 政策3_教育長・校長の裁量権拡大と評価の連動: 基礎自治体の教育委員会が、独自の人事方針に基づき校長を公募・登用できる範囲を広げます。自治体独自の教育成果(EBPMに基づく検証結果)を国や県が評価し、優れた取り組みを行う自治体には、さらなる人事・予算の自由度を与えるインセンティブ構造を構築します。
3-4. 教育データ利活用によりEBPMを推進します
- 目指す姿:EBPM(証拠に基づく政策立案)の推進に向けた基盤を構築します。チームみらいの政策として導入したものの実施状況や効果についても、実際に子どもや家庭にどのような影響を与えているかを、データで追跡・可視化します。AIによる効果測定と評価サイクルを導入し、支援内容の改善や制度の見直しに繋げます。これにより、支援が「積極的」かつ「必要十分」に届いているかを客観的に評価し、継続的な改善を図ります。
- 【参考】英国の教育省(DfE)では「Explore Education Statistics (EES)」というプラットフォームを通じて、学校の財務状況や学力に関するデータをAPI形式で公開し、政策モデルのオープンな検証を可能にしています。
- 政策1_データ標準化:データに基づいた効果的な教育政策を実現するために、日本においても教育データ標準仕様(例えば、IMS Common CartridgeやLTIといった国際標準規格に、日本独自の拡張を加えたもの)を定めることを検討します。
- 政策2_データ基盤:匿名加工された教育データを安全かつ倫理的に管理・運用するための組織の創設を検討するなど、EBPMを推進するための基盤整備が必要です。例えば、過去の試験問題をAIが活用しやすいように整備することで、AIの精度を飛躍的に向上させることが期待できます。これは、教育データの効果的な利活用の一例です。 【参考】イギリス政府Education Data Trust
3-5. 社会教育施設のデジタルトランスフォーメーションを推進します
- 現状分析:美術館、博物館、図書館、公民館などの社会教育施設は、地域文化の振興や生涯学習の機会を提供する上で重要な役割を担っていますが、多くの施設で運営基盤の脆弱性や人材不足が課題となっています。
- 学芸員などの専門職員は、資料収集、整理、調査研究、展示企画、教育普及活動など多岐にわたる業務を抱え、負担が大きくなっています。
- 文化財や歴史的資料の保存・継承、研究活動において、デジタル技術の活用が十分に進んでおらず、情報の共有や効率化、新たな価値創出の機会を逃している可能性があります。同様に、書籍・論文・新聞記事など、有益な情報リソースが複数のデータベースに分散しており、横断的な検索やアクセスが難しくなっています。
- 所蔵資料のデジタル化やテキストデータベース化も十分に進んでおらず、高度な検索やビッグデータ解析への活用が限定的である状況です。
- AI技術は、その扱いに長けた人と苦手な人との間にデジタル・ディバイドを生む側面もあり、この解消は、社会教育施設の重要な役割の一つと言えます。
- 目指す姿:AI等のテクノロジー活用を支援し、資料管理、簡易な問い合わせ対応、施設の維持管理業務などを効率化することで、専門職員がより高度な専門業務や利用者サービスに注力できる環境を整備します。
- 政策1_国営の高品質な「統合型情報アクセスプラットフォーム」を構築・提供:既存の学術論文やアーカイブ資料の包括的なデジタル化とテキストデータベース化を進め、検索性の抜本的向上とビッグデータ研究への活用を可能にします。これにより、災害等による文化財損失リスクも低減します。
- 政策2_国立国会図書館・国立大学図書館の施設拡充や人員増強:国立国会図書館を年齢制限なくすべての国民に開放します。また、利用申請手続きを大幅に簡素化します。同様に、国立大学の図書館について、学生(小中高生および大学生・大学院生等)が、身分を証明することで他の利用者と同様のサービスを受けられるよう、積極的な開放を促します。
- 【参考】日本の知の集積地である国立国会図書館は、満18歳未満の利用に際し、施設のキャパシティや人員体制を理由とした利用条件や、事前の煩雑な申請手続きを設けており、子どもたちの自由な情報探索を妨げる大きな要因となっています。
- 政策3_文化・歴史研究・教育のDX:文化財や歴史的資料の研究において、画像解析AI、3Dスキャン、ビッグデータ解析などのテクノロジー導入を支援し、研究の深化と効率化を図り、文化の継承と発展に貢献します。デジタル技術を活用した新たな展示手法やオンラインでの学習プログラム開発を促進し、より多くの人々が文化に触れる機会を創出します。
- 政策4_図書館などのインターネット回線の充実:AI技術の活用スキルはますます重要になっていくため、図書館などの社会教育施設において、十分な速度のインターネット回線を確保し、住民のAIスキル向上に向けた取り組みを推進します。
3-6. EdTechの開発と学校への導入に大胆に投資します
- 現状分析:全国で1人1台端末は整備されましたが、スペックが不足しています。例えば、 推奨帯域を満たす学校はわずか2割強(21.6 %)にとどまっています。 自治体ごとに前年踏襲的な予算組みがされるケースもあり、高スペックな端末や高速な回線が全国的には実現できていないのが現状です。また、GIGAスクールで端末は整備されましたが、ソフトウェアは各自治体任せとなっています。
- 目指す姿:行政が主導して環境整備とEdTechの市場形成をすることで、子どもたちが質の高いハードウェア・ソフトウェアで学べる環境を構築します。
- 政策1_ソフトウェア更新費用の措置:2025年度のGIGAスクール端末更新に合わせてソフトウェア費用を措置します。
- 政策2_EdTechの振興:500億円規模のEdTechスタートアップへの政府ファンドを新設して投資します。また、日本版 Buying for Schools frameworkを構築・実施し、基礎自治体の調達コストを減らすため都道府県レベルでの共同調達制度を導入することで、導入コストを減らします。
- 【事例・データ】イギリスBuying for Schools framework:学校現場で使用できるEdTechプロダクトの安全性評価・認証制度のこと
3-7. 教育国債の導入などで、政府全体で、教育への投資予算を確保します
- 現状分析:日本が国家として投入する教育費は、対GDP比だと諸外国より低いです。 対子どもの数比でみると先進国並みですが、人材のみが細い勝ち筋である以上、先進国並みの投資で満足している場合ではなく、さらに投資水準を引き上げるべきです。
- 目指す姿:教育への国家投資を拡充します。教育への投資は、経済成長となってリターンが戻ってくる可能性が高い点において、バラマキではなく賢い投資先です。
- 政策_教育への国家投資の拡充:具体的には、AI活用による業務効率化などで支出の圧縮を図って教育に回した上で、投資対効果を推計した上で、回収できる分だけ教育国債を発行することも検討します。