1.すべての企業のAIシフトを実現します

現状認識・課題分析

  • 日本企業は、生成 AI の登場により“第 3 の IT 革命”とも呼べる転換点に立たされています。しかし、2024年の帝国データバンクの調査によると生成 AI を実際に業務へ取り込んでいる企業はわずかであり、導入した企業の大半が「効果を実感できない」と答えるなど、熱気と成果の間には大きな隔たりがあるのが現状です。

    • また一方で、大企業を中心に多くの経営者がAIを最優先課題と捉えながら、多くのプロジェクトが PoC(概念実証)の段階で止まり、「効果が見えない」「組織が変われない」という“PoC の墓場”に陥っているという現状もあります。
      • こうした停滞の背後には深刻な人材不足があり、経済産業省の推計では、2030 年にデータ/AI 人材が約 79 万人不足する見込みとなっています。また、人材の質の面ではDX を牽引できる「AI プロダクトマネジャー」や「データエンジニア」が中小企業を中心にほとんど存在していません。
      • 加えて、多くの企業では、AI活用における情報セキュリティへの懸念やAIの能力・限界に関する正しい理解が不足していることにより、AIの活用・導入をためらうケースも見られます。
      • また、AI需要の増加に合わせた計算資源の確保も課題であり、データセンターの容量や電力インフラの確保が必要です。さらに企業側ではレガシーシステムが足かせとなりクラウド移行や統制が遅れ、AI 活用の前提条件が十分に整備されていないという現状があります。

    政策概要

    • AI導入に対する財政・税制上の支援
      • 特に中小企業を中心とした企業によるAI関連投資(設備・ソフト・研修)について、特別償却または税額控除を導入することで、企業の負担感を産業全体のAIシフトを促します
      • 大規模な開発については、プロジェクトの出口戦略立案や投資対効果の見積もりでの専門家派遣等の支援、またPoCから本格展開までのクラウド利用料や外部パートナー費用について、本格展開を条件に財政支援を行うことで、PoC以降の停滞を回避しつつ、AIシフトの加速を図ります。
    • AI時代に対応したリスキリング支援
      • AI・データ人材の不足はAIシフトの大きなボトルネックとなっています。基金創設も念頭に、AI関連のリスキリングへの支援を実施。年間100万人規模の支援を目指します。
      • また、AI・データ人材以外にも、重点分野に関するリスキリング支援の強化を行います。
      • 特に中小企業や地方の企業の社員を中心的に支援することで、日本の産業全体の底上げを図ります。
    • AI導入時の情報管理体制構築支援
      • AI活用に伴って企業が直面するセキュリティ上のリスクに対応するため、情報管理ガイドラインの策定するとともに、セキュリティ対策の実施に対する支援を提供します。
    • その他:インフラ、基盤整備など

議論されているトピック

AIの技術的限界を考慮した適材適所の活用を推進する

AIの全能性を前提とするのではなく、技術の限界や得意・不得意を正しく理解した上での導入を推進します。現場の混乱を防ぐため、失敗事例やノウハウを共有する産官学コンソーシアムを創設し、リスキリングの目的を「AIを使いこなす判断力の育成」に重点化することで、現場ニーズに基づいた適材適所の活用を促します。

フリーランス取引における多重下請け構造と中抜きを規制する

ITやSES業界における多重下請け構造を是正するため、再委託の階層制限や仲介手数料の合計上限を規制します。手数料の一部をフリーランスの社会保障へ還元することを義務付けるほか、不当な中抜きに対する厳罰化やデジタルGメンによる監視体制を構築し、フリーランスが正当な報酬を受け取れる公正な取引環境を整備します。

リスキリングの進路変更権を確立する

リスキリングにおけるミスマッチや挫折のリスクを考慮し、受講者が不利益なく訓練内容を変更できる「進路変更権」を確立する。高成長分野への誘導だけでなく、個人の適性に応じた多様な選択肢を確保し、柔軟な学び直しを可能にする。

みんなからの提案(7件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

内容の追加2026年1月27日

「すべての企業のAIシフト」政策において、AIスキルを持つ学生が活躍できる仕組みとして「AI学生バイト」の推進を追加する。その際、AIスキルの認定制度を設け、それに基づいた報酬の標準化を行うことで、学生が能力に見合った対価を得られる収益向上と、企業の業務効率化を両立させる。

理由: 学生にとってはAIスキルを活かした高い収益機会となり、企業にとっては効率化につながるWin-Winの仕組みを構築し、産業全体のAIシフトを加速させるため。

方針への異議2026年1月27日

「4-2. AI時代に対応したリスキリングのアップデート」において、リスキリングの非成功リスクへの備えを強化する。具体的には、一度選択した訓練が適性に合わない場合に不利益なく別の訓練へ変更できる『進路変更権』を確立する。また、高成長分野へのシフトを促しつつも、受講者の希望や適性に応じられるよう、それ以外の分野の訓練も一定数確保し、多様な選択肢を提示できる制度へ変更する。

理由: リスキリングを『訓練を行えば必ずスキルが身につく』という画一的な前提で進めるのではなく、挫折やミスマッチ、キャリアチェンジに伴うモチベーション維持の困難さといったリスクを想定した、柔軟なやり直しのきく制度設計が必要であるため。

方針への異議2026年1月27日

中小企業へのリスキリング支援について、『企業主導』から『個人への直接支援』に方針を転換する。特に、失業等の困窮状態にはないが、現職で能力を発揮できていない『グレーゾーン』の労働者を主対象とし、企業内稟議を介さず個人の判断で利用できる直接給付型制度を導入する。また、就職氷河期世代や精神疾患で離職した層への、生活費支援を含む再就職プログラムも重点化する。

理由: 現行の企業主導の仕組みでは、経営層の判断や企業内稟議が障壁となり、労働者の自律的なキャリア形成や『飼い殺し』状態からの脱却が困難であるため。また、失業手当受給者と既存の企業研修対象者の隙間にいる潜在的な人材を救い出し、生産性を最大化する必要がある。