3.オンライン診療 / 処方受け取り方法を充実し、通院のない受診を実現
現状認識・課題分析
- リモートワークやECサイトの利用などは広く生活に普及してきましたが、オンライン診療についてはまだ十分に普及しているとは言い難い状況かと思います
- オンライン診療には対面と比べて患者さんの状況、所見が把握しにくかったり、体調が悪化した際に高度医療機関との連携導線が確立されていなかったりと一定の課題がある一方で、適切に普及すれば多くの方々にとってメリットの大きいシステムだと考えます
- 風邪や花粉症などの軽い相談や慢性疾患で継続的に同じ服薬で経過観察している患者さんにとって、診療のために仕事や家事・育児を調整して対面で受診することはまだまだ負担が大きいと言えます
- 僻地や島嶼部などの医療アクセスが難しい地域にお住まいの方々や一人で外出することが難しい方などの場合、医療機関で相談をしたくても受診控えをしている場合もあると思います
- オンライン診療が進まない要因の一つとして、医療制度・診療報酬体制の整備、システム・インフラの整備、医療の質や安全対策の整備、利用者側の利便性の課題などがあります
- 現在の診療報酬制度ではオンライン診療が対面診療と比べて優遇されているとは言えず、医療機関側にとってシステム投資や運用構築を乗り越えてまで推し進める動機づけが不足しています
- また、オンライン診療で医師に相談をしても、受診後の医薬品の受け取りに調剤薬局を訪ねる必要があり、一連の受療行動をオンラインで完結できていない状況も多いかと思います
- 他方で、オンライン診療の無軌道な拡大は、受診件数の爆発的な増大や不適切利用のリスクもあります
政策概要
- オンライン診療普及のための診療報酬、インセンティブの設計
- オンライン診療を普及させるための診療報酬の加算を検討します
- 島嶼部などの僻地医療、要介護者など独力で受診の難しい方々の受診、生活習慣病などで病状の安定している状況での再診など、ユースケースを整備し、段階的にオンライン診療を普及させるための枠組みを整備します
- 安全性を担保するためのガイドライン整備
- 本人確認、重症化時のバックアップ体制など、オンライン診療を安全に行い、標準的なサービスを担保するための規定を整備
- 薬の受け取りまでオンラインで完結するための枠組みの整備
- オンライン服薬指導や僻地でのドローンによる医薬品配送などを行うためのガイドラインなどは整備が進みつつあります
- 配送費用については、物流コストが自動運転やドローン技術の進化により引き下げられる可能性も考えられますが、現状では調剤薬局が担う状況となっており、費用負担が運用の壁となっています
- 僻地に住む方や外出が困難な方など、受診が困難な方の医療アクセスの確保の観点でも、一定の枠組みでの物流コストの診療報酬での手当を検討します
- これらの施策により、オンライン診療による受診機会の格差の是正を進めるとともに、働き世代の受診による生産性低下の抑制を見込みます
議論されているトピック
オンライン診療の処方日数と連続利用を制限する
オンライン診療における重症疾患の見落としリスクを防ぐため、急性期疾患に対する処方日数を最大3日分に制限し、対面受診を挟まない連続利用を禁止する厳格なガイドラインを策定する。利便性よりも医療の安全性を優先する。
コストと便益を考慮した医療DXを推進する
医療DXの推進にあたり、患者と医療従事者の双方が利便性向上やコスト削減などの実効性のある恩恵を受けられるよう、コスト・ベネフィットを最大化する支援枠組みを構築します。単なるデジタル化に留まらず、現場の負担軽減や患者のメリットが明確になる合理的なシステム導入を促進し、医療の質と効率性の両立を目指します。
デジタル処方箋の導入を推進する
オンライン診療の効果を最大化するため、デジタル処方箋の導入を強力に推進し、患者が自宅周辺などの利便性の高い場所で薬を受け取れる体制を整備する。これにより、通院に伴う移動負担や薬局での待ち時間を短縮し、二次感染のリスクを低減させることで、医療サービス全体の利便性と安全性の向上を図ることを目的とする。
みんなからの提案(9件)
このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。
「3. オンライン診療 / 処方受け取り方法を充実し、通院のない受診を実現」の項目において、医療機関でのWeb予約を原則必須化する方針を追記する。同時に、デジタル操作が困難な方への電話代行や窓口支援などのサポート対応については、受益者負担の観点から有料化を検討する内容を現状課題と政策概要の両方に追加する。
理由: 医療機関の待ち時間短縮と、デジタル化対応に伴う社会的リソースの浪費を防ぐため。リソースを使用する場合には相応の対価を支払うべきであるという受益者負担の原則に基づいている。
「現状認識・課題分析」に、オンライン診療では重症疾患(喘息発作や糖尿病性ケトアシドーシス等)の見落としリスクがある旨の周知を追加する。また、「安全性を担保するためのガイドライン整備」に、急性期疾患の処方日数を最大3日分とし、対面受診なしでの連続利用を不可とする厳格な制限を追加する。
理由: 医療従事者の視点から、オンライン診療による急性期疾患の見落としや重症化のリスクを懸念し、具体的な安全策として処方日数制限と連続利用の禁止が必要であると判断したため。
「医療DXの推進やAI開発支援」の項目に、AIを活用した受診判断サポートアプリ(トリアージ機能)の開発・導入支援を追加する。具体的には、市販薬・オンライン診療・対面診察の適切な選択を支援し、マイナ保険証を通じて薬剤師や医師へ情報を共有する仕組みを構築する。あわせて、現状認識として、医療逼迫時の優先度最適化に関する記述を追加する。
理由: 感染症の流行等により医療が逼迫した際、重大な疾患を抱える患者を優先できない事態を避けるため。また、受診の効率化を通じて医療費抑制と利便性向上を両立させるため。