4. 新産業の担い手を育成

4-1. 高専(KOSEN)を「イノベーションの総本山」へとアップデートします

  • 現状分析: 日本の高専は、実践的な技術教育で世界から「KOSEN」として高く評価されており、求人倍率は約20倍という驚異的な需要を誇る「日本の宝」です。しかし、現場では30年以上前の老朽化した設備が残るなど、最先端の産業界とのギャップが生じています。また、学位が「準学士」に留まることで、国際的な評価や待遇面での障壁が存在します。
  • 目指す姿: 高専を、AI時代の「科学技術立国」を牽引するイノベーションの総本山へと再定義します。理論だけでなく「実際にモノを動かせる」高専生の強みに、最先端の計算資源と起業家精神を掛け合わせ、世界をリードする技術者・起業家を輩出する環境を構築します。
  • 政策1_AI・先端技術環境の抜本的強化: すべての高専に最先端のGPUサーバーを導入し、AIとハードウェアを統合的に扱える環境を整備します。5G/6G、次世代蓄電池、半導体製造など、国家戦略分野に対応した実習設備を「ハブ&スポーク型(拠点校への重装備集約とネットワーク共有)」で効率的に配置します。
  • 政策2_高専の教員を拡充: 現役のトップ技術者を教員・講師として招聘できる柔軟な人件費枠を確保し、「知恵のシェアリング」を加速させます。
  • 政策3_高専発スタートアップの全面支援: 「国立高専イノベーション基金(1,000億円規模/10年)」を創設し、学生のアイデアを即座にプロトタイプ化できるギャップファンドを提供します。近隣大学のTLO(技術移転機関)等と連携し、知財・法務支援をパッケージ化することで、技術を社会実装する起業家教育を標準化します。
  • 政策4_学位の国際標準化: 高専卒業生の高度な技術力が正当に評価されるよう、学位のあり方や大学卒との給与格差の解消に向けた制度改正を推進します。
  • 予算規模1_初期投資200億円:総額200億円の予算を措置します。予算は2年で措置します。
    • 半導体技術者育成のためのクリーンルームをハブ拠点5箇所に作ります(180億円)。
    • 全国の高専の通信環境を整備します(20億円)。
  • 予算規模2_年次予算75億円:毎年75億円の予算をつけます。学生1人当たり約12.5万円/年になります。優れた技術者を1人育てたときの価値創出規模は十分に投資を上回ると考えています。
    • 年次予算としてAI・GPU:を50億円/年措置します。
    • 拠点校には高度専門人材の教員としての招聘の人件費を15億円つけます(1500万円/年の人材100名 = 各校に約2名を配置)。
    • 高専発スタートアップ支援に約10億円をつけます(年500万円のギャップファンド200件=各校4件など)

4-2. AI時代に対応したリスキリングのアップデート

  • 現状分析:市場ニーズとの乖離と公費投入の非効率化 現在の公的職業訓練は、デジタル化やAIの普及による労働市場の急激な変化に対応できていません。産業界が求めるスキルと訓練内容のミスマッチが常態化しており、低賃金・低需要な職種への訓練に多額の公費が投じられ、受講者のキャリアアップや成長産業への円滑な労働移動を阻害しているという深刻な課題があります。
    • 原因① 新技術対応のタイムラグ: 現行の公的職業訓練の認定プロセスは、カリキュラム審査や予算割り当てに時間を要するため、生成AI等の急速な技術革新と市場ニーズの変化に対し、数年単位の遅れが生じています。
    • 原因② 低水準な出口指標: 既存の「求職者支援訓練」における認定基準(就職率35%等)が低く、労働需要の低い職種(有効求人倍率0.1倍〜0.4倍程度)への訓練に公費が投じられ、結果として受講者の賃金上昇や労働移動につながっていません。
    • 原因③ 官民の役割分担の硬直化: 行政が講座内容の詳細を決定する仕組みにより、産業界が真に求めるスキルと教育内容のミスマッチが常態化しています。
  • 目指す姿:行政主導の形式的な審査から脱却し、市場評価と事後成果(賃金上昇・就職実績)に基づいた柔軟かつ高効率な訓練制度への転換を目指します。AIを活用して個人の潜在スキルと市場需要をマッチングさせ、IT・データサイエンス等の高成長分野への労働移動を加速させることで、個人の所得向上と日本経済の生産性向上を同時に実現します。
  • 政策1_ガバナンス改革:規制緩和:市場連動型・成果評価への移行
    • 「形式審査」から「市場評価」への転換: 行政による事前のカリキュラム精査を簡略化する代わりに、過去の「修了生の賃金上昇率」や「成長産業への就職実績」といった事後評価データに基づき、講座の継続可否を自動的に決定する仕組みを導入します。
    • 採用直結型認定: 「修了生を〇名以上、年収〇万円以上で採用する」と事前にコミット(合意)した企業が存在する講座については、行政によるカリキュラム審査を免除し、即時「ホワイトリスト」として公的訓練に認定します。
    • 認定基準の抜本的引き上げ: 労働需要の低い職種に関する訓練への公費投入を制限し、IT・データサイエンス・DX等の高需要職種へのシフトを促します。
  • 政策2_補助金改革:成果報酬型(Pay for Success)の導入
    • インセンティブの再設計: 教育事業者への奨励金を「受講者数」ベースから「成果」ベースへ移行。具体的には、受講生が「一定水準以上の年収で再就職した際」や「前職比で賃金が向上した際」に重点的に報酬を支払います。
    • 出世払い型ローン(Income Share Agreements)の活用: 高度な専門スキル習得に対し、政府が受講費を立て替え、再就職後の収入が一定額を超えた場合にのみ支払う仕組みを整備し、個人の受講リスクを低減します。
    • 「リスキリング採用税制」: 新部門が指定する高度スキル職種において、未経験のリスキリング人材を採用・育成した企業に対し、法人税の控除や教育訓練費の助成率を引き上げます。
  • 政策3_デジタルプラットフォーム:AIスキル・マッチング基盤の構築: カナダの事例を参考に、求職者の経歴(潜在スキル)と労働市場のリアルタイム求人データをAIで照合します。「あとどのスキルを補完すれば、どの程度の賃金向上が見込めるか」を個人に提示し、最適な講座選定から就職までを一気通貫でサポートします。
    • カナダ政府は、AI労働分析プラットフォーム「SkyHive」と連携し、データ駆動型の支援を展開しています。失業者が経歴を入力すると、AIが保有スキルを自動抽出し、市場データと照合し、「現在のスキル」と「希望職種で求められるスキル」の差分をリアルタイムで特定し、必要な訓練をピンポイントで提示しています。

採用されたトピック

誤変換である情勢を醸成に修正する

政策文書や広報資料における「寄付文化の情勢」という表記を、本来の意図である「寄付文化の醸成」へと修正する。誤変換を放置することは文書の信頼性を損なうため、正確な用語への統一を求めるものである。この修正により、寄付を促す社会的な機運を高めるという政策の目的をより明確に伝えることが可能となる。

議論されているトピック

普通高校から高専への編入枠を拡大する

高専の4年次編入制度を抜本的に拡充し、普通高校からの編入生を大幅に受け入れる体制を整備します。大学の就職予備校化を懸念する層に対し、学問的背景と実践的な技術習得を両立できる新たな進路選択肢を提供することが目的です。既存の「高専の設置形態に応じた支援」とは異なり、高校からの流入経路の拡大に特化した提案です。

みんなからの提案(3件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

内容の追加2026年1月28日

科学技術・イノベーション政策において、第5項として「地方における『教育・産業・創生』の循環モデルの構築」を新設する。具体的には、高専や職能大学校を地方に新設・増設し、若者が地元で最先端技術を学べる環境を整えるとともに、地元企業との連携体制を強化し、地域産業の振興と雇用創出、若者の定着を図る内容を追加する。

理由: 地方における高等教育機会の不足を解消し、教育と地元産業を直結させることで、若者の流出防止と地方創生を同時に実現するため。

内容の追加2026年1月28日

「4-1. 政策4. 学位の国際標準化」に、高専と国立大学等の間での単位互換強化、学習内容の重複を排除したシームレスな編入制度の確立、および技術科学大学のような形態の教育機関の拡充を追記する。

理由: 現状、高専から国立大学へ編入する際に学習内容が重複するという無駄が生じている。また、高専のカリキュラムを前提とした受け皿(技術科学大学)が不足しているため、キャリアパスの効率化と高度実践教育の環境整備が必要である。

内容の追加2026年1月27日

「4-1. 高専(KOSEN)を『イノベーションの総本山』へとアップデートします」の項目に、高専の4年次編入制度を抜本的に拡充し、普通高校からの編入生を大幅に増加させる記述を追加する。

理由: 高校からの進学先である大学が「就活予備校」化することを防ぎ、専門職大学とは異なる、学問的背景に基づいた実践的な技術習得の選択肢を学生に提供するため。