2.使いやすい行政を実現します

現状認識・課題分析

  • 住民にとって“体験の良さ”は依然として低水準
    • 国民生活に直結する26手続きについて、オンラインで完結できる自治体は65.1%にとどまり、3 割強が依然として書面・窓口前提で、オンライン移行は道半ばです。(出典:デジタル庁「データから見た成果:社会におけるデジタル活用の進捗」)
    • 「オンライン手続きができない」「何度も同じことを書く必要がある」「窓口が明確じゃない」などの声も聞こえ、国民にとっての使いやすさにはまだまだ改善の余地があります。
    • 育児中のご家庭や、高齢の方、障害のある方、就業者など、全ての人にとっての使いやすさが重要ですが、「手続きが複雑であきらめた」事例が各種ヒアリング調査で報告されています。
  • 制度へのアクセス障壁がもたらす公平性の欠如
    • 日本の社会保障制度や各種公的支援制度は、申請主義を前提として設計されており、制度の存在自体はあっても、情報格差や申請手続きの複雑さから、「制度があっても支援が届かない」状態が広く生じています。
    • 特に、低所得世帯、高齢者、障害者、ひとり親家庭といった支援ニーズの高い層ほど、制度へのアクセス障壁が大きく、支援の取り残しが深刻な課題となっています。
  • 行政内部の非効率の改善とポテンシャル
    • 統計調査や現地調査で「Excel→手入力→基幹系」などの多重入力が常態化し、調査漏れや職員二重配置が発生していると自治体現場からの声もあります。
    • デジタル化を進めることで、職員は書類の受け取りや書類の記載内容の確認から解放され、本来の対人支援・相談業務に注力できるようになります。
    • また、業務フローを標準化・再整備することで業務の属人性、二重入力を排除し、またシステムによる自動チェックや履歴管理によりヒューマンエラーを防ぐことができ、待ち時間の減少、迅速な給付など、行政サービスの質の向上に繋がります。
    • 例えば、書面や対面を義務づけるアナログ規制をオンライン化しただけで、甲種防火管理講習では年間 16.7億円のコスト削減効果が試算されており、同様の潜在効果が多数残存。(出典:デジタル庁「アナログ規制の見直しによる経済効果(中間報告)」)

政策概要

  • 行かせない、書かせない、待たせない、迷わせない行政を実現
    • 行かせない
      • 行政手続のオンライン化をさらに推進する
        • 書面・対面義務規定の更なる見直しを実施します。あわせて、マイナンバーカードと公的個人認証(JPKI)を活用し、本人確認と必要情報の自動取得を可能とすることで、原則として窓口来訪を不要にする行政手続きを拡大します。
    • 書かせない
      • マイナンバーを活用して、利用可能な税・社会保障データの範囲を段階的に拡大し、自動連携することで申請時の住民による再入力を排除します。
        • 各省庁と自治体のデータベース連携を推進することで、住民が同じ情報を何度も提出する必要を無くします。
      • さらに、国民健康保険料の算定や各種減免措置については、行政が既に保有している課税・所得情報を標準APIにより内部で自動参照・適用することを原則とし、国民に対して紙の書類提出を求めない運用を標準化します。すでに一部自治体で試行が始まっており、全国展開に向けた制度設計を加速させます。
      • デジタル庁の推し進める「自治体窓口DX」を更に推進していくとともに、加えてIT&AIを活用したバックヤード改革を行い、入力内容の確認、窓口業務職員の負担軽減を図ります。
    • 待たせない
      • 前提として、オンライン化を推し進め、行政機関への訪問を不要にします。
      • ただし、どうしても訪問が避けられない場合もあるため、そのような場合は混雑状況をリアルタイム配信することで待ち時間の平準化を図り、結果的に「待たされる」体験を改善します。
    • 迷わせない
      • 行政サービスを「探す・理解する・申請する」といった一連の行動において、住民が迷うことなくスムーズにたどり着ける仕組みを構築します。情報の分かりにくさや複雑さが申請意欲の喪失につながる現状を踏まえ、誰もが迷わず必要な支援にアクセスできる行政を目指します。
      • 例えば、確定申告については、その手続きの煩雑さがかねてより指摘されており、納税者の負担軽減が急務です。マイナンバー制度およびマイナポータルの基盤を活用し、給与・報酬・金融所得・社会保険料・医療費など、申告に必要な情報を関係機関から自動的に集約・連携する仕組みを段階的に整備します。
        • 現時点でも、医療費通知・社会保険料・ふるさと納税情報などについては、マイナポータル経由で取得し、e-Tax上に自動反映される機能が実装されています。また、家族の医療費についても、事前の代理設定により取得可能となるなど、代理による補助的な申告準備も技術的に整いつつあります。
        • 今後は、これらの仕組みをより一層拡張し、証券会社・金融機関・保険会社などの情報も含めた網羅的な所得・控除情報の事前集約を推進します。また、高齢者や体調不良等により自らの申告が困難な納税者については、税理士等の有資格者に限らず、家族等による代理提出やサポートがしやすくなる環境整備(例:電子委任状の標準化、代理人向け操作画面の整備)を進めます。
        • これにより、最終的には、納税者があらかじめ集約された申告内容を確認し、ワンクリックで申告を完了できる「ワンクリック申告」の仕組みを実現します。本人の意思に基づいた安全な情報連携、透明性の高い運用、そして不正利用を防止する制度設計を徹底することで、誰にとっても使いやすく、安心できる確定申告制度への転換を図ります。
        • この基盤を活かすことで、税や社会保障の控除・給付の“境界”をなめらかにし、より合理的な制度運用へと接続していくことが可能になります。確定申告の改革は、より本質的な制度の滑らかな設計——「なめらか税・社会保障」への移行に向けた第一歩でもあります。
        • なお、希望する納税者に対しては、マイナンバーカードに紐付けられた公金受取口座から、確定した税額が納税期限日に自動的に引き落とされるオプションも導入します。引き落としにあたっては、納税額の確定内容を事前にマイナポータル上で確認・同意できるようにし、利用者の不安や誤課税への懸念に対応します。
      • また、本人情報やマイナンバーに紐づく属性データ(年齢、所得、家族構成など)に加え、住民自身がマイナポータル等で登録した興味・関心分野(例:子育て、教育、住宅支援、起業支援など)をもとに、対象となる可能性のある補助金・制度を自動抽出し、アプリやメールで個別通知する仕組みを整備します。これにより、「制度を自分で探しに行く」のではなく、「必要な情報が向こうから届く」プッシュ型の情報提供が実現されます。
        • すでに、マイナポータルの「ぴったりサービス」や一部年金手続きで先行実装されつつあり、今後は他制度にも横断的に拡張し、自動化の精度を高めていきます。
        • 一定の要件を満たす給付金や手当については、本人への通知後、一定期間内に異議がなければ公金受取口座に自動的に振り込まれる「オプトアウト型自動給付」の仕組みを整備します。2024年の定額減税補足給付では、申請不要の給付が一部自治体で実施されており、これを皮切りに、恒久的な制度への段階的移行を進めていきます。
        • 加えて、会社からの退職情報や介護・障害の認定など、個人のライフイベントの情報が行政に届いた時点で、国民健康保険の加入や保険料の減免申請といった関連手続きを行政側で一括処理し、本人にはその結果のみを「通知」として送付する仕組みも構築していきます。2025年度より始まる電子離職票のデジタル連携はその基盤となり、今後は国保・年金・雇用保険など複数制度を一体で処理する「ワンストップ型自動手続」へ発展させていきます。
        • 一方、守りの側面も重要で、制度の拡張とともに、AIを活用した不正受給リスクの自動検知モデルを導入し、高リスクケースを優先的に審査するリスクベースアプローチを採用します。東京都の特別区を中心に生活保護や児童扶養手当などで導入が始まっており、これを他の給付分野にも広げていく方針です。あわせて、マイナポータル上で給付履歴や本人への情報照会履歴を確認できるダッシュボード機能を拡充し、透明性とトレーサビリティの確保も図ります。
      • ユーザーの質問や状況に応じて最適な窓口や手続きをナビゲート、代行するAIチャットボット、AIエージェント等の導入を加速させ、迷いなく必要な情報にたどり着ける環境を整備します。
        • また、AIチャットボットでの対応が難しい場合には、速やかに専門の相談員へ引き継ぐ体制を構築します。デジタル機器の操作に不慣れな方でも安心して利用できるよう、人によるサポートの選択肢を常に用意します。
        • 特に高齢者の方々に対しては、デジタル庁の「デジタル推進委員」の取組等と連携し、対面相談窓口の充実や、わかりやすい言葉づかい、大きな文字表示といったインターフェース配慮を徹底します。これには、日本産業規格(JIS)等に準拠したアクセシビリティ基準の採用を含みます。
        • 既に成果を上げている自治体と民間企業の連携による現場サービス(例:出張講習、地域サークルと連動したIT体験会)などの優良事例を迅速に横展開し、全国での実装を加速させます。
      • 政策情報や手続き案内を、AIや検索エンジンが解析しやすい機械可読なデータ形式(HTML, JSONなど)で提供。AI・アプリ・Web検索を活用した情報アクセス性を向上させます。
      • 行政文書の日付表記を分かりやすく改善し、西暦を併記または主として使用することで、和暦の確認や年数の計算といった無駄な確認作業をなくし、利便性を向上させます。

議論されているトピック

この政策分野にはまだトピックがありません。

みんなからの提案(1件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

方針への異議2026年1月28日

「くらしと行政」または「産業」などの関連項目において、郵便配達部門を再国営化し、過疎地を含めた全国の配送網を確実に維持・確保する方針を追加する。

理由: 郵便物の減少により民間事業としての維持や発展が困難な状況にある一方で、過疎地におけるユニバーサルサービスとしての物流インフラを確実に維持し、住民の生活基盤を守る必要があるため。