8. ルールも行政情報も、“使える公共財”へ変革します

現状認識・課題分析

  • 透明性は向上したが“使いやすさ”は発展途上
    • 日本は Open Data Inventory (ODIN) 2024 で 46 位/195 か国、総合スコア 71。公開件数は増えているものの、再利用のしやすさ(機械判読性・ライセンス明確性)の評価が伸び悩んでいることが示されています。
  • APIによるデータの提供も進んでいるが、フォーマットが省庁ごとにバラバラという課題があります。

| 主要 API | フォーマット | 認証 | 備考 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | e-Stat 統計 API | JSON / XML | 要 API-Key | 総務省統計局 | | 法人番号 API | CSV (ZIP) | Key 不要 | 法人番号公表サイト | | 気象庁 オープンデータ | CSV / XML ほか | 利用登録制 | 気象庁データ |

  • “PDF 一択”の公開が AI 利活用を阻害
    • デジタル庁はオープンデータ基本指針で「機械可読な形式」を推奨する一方、多くの行政文書は依然 PDF で公開され、生成 AI や検索エンジンが解析しづらい現状が残っています。
    • 例えば、概算要求明細表は省庁ごとに膨大なページ数のPDFで公開され、単価レベルまで詳細に記載されているものの、横断的な検索・集計や比較が極めて困難です。
  • 法律・行財政情報のカバレッジ不足
    • e‑Laws 法令 API は XML 形式で条文を提供していますが、告示・通達・ガイドライン等が未整備で、法令体系が網羅できていません。
    • 財政情報も同様で、概算要求→予算案→執行→決算という歳出の流れが、一貫してデータで追える形にはなっていません。
  • 法整備はあるが運用が追いつかない
    • 2016 年施行の「官民データ活用推進基本法」はオープンデータ推進を義務づけましたが、地方自治体を含む実装面ではデータ標準化や API 整備が遅れています。

政策概要

  • 行政の情報をわかりやすく、参加しやすく
    • 情報公開は今でも取り組まれているが、内容が複雑、情報が分散している状況にある状況を解消するため、検索しやすく・読みやすく・選びやすい、誰でも使いやすい情報設計を実現します。さらに、AIによって利用者の属性や相談内容に応じた解説や制度案内を行い、誰にとっても“自分ごと”として理解できる行政を目指します。
    • 新しい制度や予算の使い道について、「何がうまくいって」「何がダメだったのか」見える形で定期的に公表します。
      • 特に、概算要求、予算案、執行状況、決算までの歳出情報を、XML等の機械判読が可能な形式で公開します。
    • これらを通じて、国民の皆様がより政治に参加しやすいよう基盤を整備していきます。
  • 情報公開をAPI経由で実施できるように
    • 現在の情報公開制度は書面やオンラインフォームが中心となっていますが、その選択肢を増やすと同時に、各省庁で異なるシステムやデータ形式についてAPIの標準化・一次公開の義務付けを進めます。
    • 申請コストを下げることによる情報公開請求増加に対応するため、行政側の処理負担も軽減すべく、AIによる分類・要約や処理自動化を行います。
    • ただし、これらは「セキュリティとプライバシーの確保」、「AIによる大量スパム行為」など懸念も残るので、請求回数に一定の制約を設ける、マイナンバーによる資格確認を実施する、レートリミットと行為検知でスパムを防止する等のルールを整備します。
  • 法令データの利便性向上
    • e-lawsでの法令標準 XMLスキーマに基づいた XML形式での提供、デジタル庁の提供する法令一覧や法令本文のXMLをプログラムから取得できるようにする法令 APIに加え、以下を実施するとともに、生成AIでも活用な形での情報提供を進めます。
      • 告示や通達などの法令データも整備し、より包括的な法令データベースを構築します。
      • 文の意味(例:定義語、適用条件、例外など)、法令間の参照関係や意味上のつながり(例えば「○○法第△条を準用する」)のマークアップを実現します。
      • 過去の条文の履歴や、法改正前後の差分情報を提供します。
  • 各省庁の保有する情報のAPI経由での提供
    • 現状でも官民データ活用推進基本法の成立を皮切りに、デジタル庁がオープンデータ施策を推進していますが、さらに以下を推し進めます。
      • デジタル庁ガイドライン準拠 API の徹底。
      • 現在の「公共データ利用規約」を 国際標準のCC‑BY‑4.0 相当へアップグレードします。

議論されているトピック

AI生成物の表示義務と罰則を法制化する

AIによって生成された画像や動画などのコンテンツに対し、ラベル付けを義務付けるとともに、悪質なディープフェイクの発信者を特定し罰則を科すための法整備を検討します。偽情報の拡散による世論操作や社会不安を防止し、デジタル空間における情報の信頼性と透明性を確保することを目的としています。

規制情報を機械判読可能なDBにする

外為法などの複雑な規制情報を機械判読可能なデータベースとして整備する。企業や大学が改正箇所の自動検知や履歴参照を容易に行える環境を構築し、実務上のコンプライアンス負担を大幅に軽減する。

みんなからの提案(2件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

内容の追加2026年1月28日

「8. ルールも行政情報も、“使える公共財”へ変革します」または「9. 制度のリファクタリング」に関連づける形で、外為法に基づく安全保障輸出管理の管理項目(マトリクス)等、頻繁に改正が行われる複雑な規制情報について、機械判読可能なデータベース化を推進する記述を追加する。企業や大学等の利用者が改正箇所を自動的に差分検知し、過去の改正履歴を容易に参照・検索できる環境を整備し、実務負担を軽減する方針を明記する。

理由: 外為法改正に伴う輸出管理項目の確認作業がExcelベースの目視に頼っており、データベース化や履歴管理がなされていないため、企業や専門機関に過大な実務負担がかかっている。安全保障輸出管理のコンプライアンス遵守を効率化し、行政情報を『使える公共財』とするため。

内容の追加2026年1月27日

「9. くらしと行政」にAI生成物のラベル付け義務化、および悪質なディープフェイクの発信者特定・罰則検討に関する法整備を追記する。同時に「10. デジタル民主主義」に、AI利活用時における透明性と信頼性を確保するための運用ルールを追加する。

理由: AIの「毒」の部分である悪質なディープフェイクや偽情報が、世論形成や社会の安全を脅かすリスクに対処するため、法規制と運用ルールの両面から対策を強化する必要があるため。