6. ロックインを防ぐ、オープンな公共調達を推進します
現状認識・課題分析
- コスト削減の余地あり
- 現状、国と地方自治体でそれぞれ独立してソフトウェア開発を行っていますが、オープンソースソフトウェア(OSS)の利用により、同様のシステムを個別に開発する必要がなくなり、重複する開発コストを削減できます。
- OSSは、企業全体で約9兆ドル(約1,080兆円)の開発費を節約したとされるHarvard Business Schoolの試算もあります。
- ベンダーロックインと競争阻害
- 一度特定の事業者に依頼してしまうと、他の業者の参入が難しくなり、結果として効率が悪くても特定のベンダーを使い続けてしまう問題があります。
- 公正取引委員会の実態調査は、官公庁システム調達で“同一ベンダー継続率”が高く、機能改修やバージョンアップさえ他社が請け負えない構造が競争を阻害していると指摘しています。(出典:公正取引委員会「官公庁における情報システム調達に関する実態調査」
- 英国政府の公式マニュアルでも、「新規開発コードはOSS化し、特定業者への依存を避けよ」と明記。これにより重複開発を減らし、コスト削減および健全な市場競争を促進しています。
- “ウォーターフォール調達”が改革の足かせに
- 現在の行政による発注で前提とする、仕様を確定 → 長期契約 → 継続的な改修作業という従来型の工程では、政策変更や技術進化に追従できません。
- 結果として、国民が享受するサービス改善スピードも鈍化し、DX 施策の効果が見えにくいという構造課題が生じています。
政策概要
- 「公共調達 OSS・オープン化原則」の制定
- 税金で開発・導入するソフトウェアは OSS を原則とし、ソースコード・ドキュメントを公開します。
- 例外領域(防衛・治安・個人情報等)は最小範囲で非公開とし、国会報告で透明性を確保することで、情報公開を進めつつ、個人情報保護、安全保障面での懸念にも対応します。
- “実働コード競争入札”方式への転換
- これまで通り要求仕様書作成と予算確保は各省庁で実施するが、調達プロセスを「仕様書比較+プレゼン」から、一定要件の動作するプロトタイプを提出する方式へ改めます。
- アジャイルな政策実装サイクルの採用
- OSSやオープン化の推進とあわせて、調達・開発プロセス自体も柔軟かつ段階的なサイクルに移行する必要があります。以下のような柔軟な実装サイクルを制度化することで、変更が難しい高額発注やベンダーロックインのリスクを抑え、プロジェクト全体の費用対効果を高めます。
- 小規模なMVP(最小限の機能を備えた試行版)から開発を開始し、早期に運用環境での検証を実施
- 利用者や実務担当者からのフィードバックを集約し、短いサイクルで段階的に機能を改善
- 成果と課題を定期的に検証し、必要に応じて横展開、見直し、あるいは中止などの判断を柔軟に行う
- OSSやオープン化の推進とあわせて、調達・開発プロセス自体も柔軟かつ段階的なサイクルに移行する必要があります。以下のような柔軟な実装サイクルを制度化することで、変更が難しい高額発注やベンダーロックインのリスクを抑え、プロジェクト全体の費用対効果を高めます。
- ベンダーロックイン防止ガイドラインの制定
- データ・API・インフラのポータビリティ要件を調達仕様に明示します。
- 公正取引委員会の調査報告を踏まえ、長期専属契約・独占的保守契約の防止条項を標準契約書に盛り込みます。
議論されているトピック
行政システムのOSS開発に学生が参加できる枠組みを整備する
行政システムの開発をブラックボックス化させず、産官学連携のOSSプロジェクトとして推進する。学生がインターンシップ等を通じて開発に参加できる枠組みを整備し、チャットツールを用いた透明性の高いオープンな開発コミュニティを運営する。
みんなからの提案(2件)
このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。
内容の追加2026年1月28日
「政府DX投資の実行方法改革」という項目を新設し、ステーブルコイン決済とデジタルインボイスを組み合わせた即時・確定決済の仕組みを導入する。これにより、元請けから下請けへの支払い自動化による現場の効率化・下請け保護、および予算執行から支払いまでをトランザクションで記録することによる予算執行の透明化と監査の高度化を実現する。実装にあたっては、IT分野の調達や一定金額以上の案件から段階的に進める。
理由: 政府DX投資の成果を現場で体感できるようにするため。具体的には、IT業界の商習慣である多重下請け構造における支払い遅延・資金繰り課題の解消と、官公庁側における予算執行の透明性向上および会計検査の効率化を目的としている。
内容の追加2026年1月27日
「くらしと行政」のポリシーにおいて、行政システムのOSS開発を産官学連携プロジェクトとして位置づける項目を追加し、学生が開発プロセスに直接参加・貢献できる枠組み(インターンシップ等)を整備する。また、Mattermost等のチャットツールを活用した透明性の高いオープンな開発コミュニティを運営することを明記する。
理由: 行政システムの開発をブラックボックス化させず、OSS化と学生参加、チャットツールによるオープンなコミュニケーションを通じて、透明性と教育的価値、産官学連携を同時に実現するため。