4. 選挙現場の負担に寄り添い、届出手続・運用のデジタル化を進めます
現状認識・課題分析
- 立候補手続きが“紙と対面”に強く依存
- 立候補予定者は、事前説明会で各都道府県選挙管理委員会から膨大な届出書類を受け取り、記入・管理・提出に多大な労力を要しています。
- 提出にあたっては、押印済み原本を「厳封」のうえ庁舎に再度持参する必要があり、手続き全体が紙ベースで運用されています。
- なお、参議院選挙など一部では総務省のようにWeb上での資料提供が行われている例もあります。
- 供託金納付はオンラインでも“紙提出が慣行のまま”
- 法務省が提供する「供託ねっと」により、選挙供託金はオンラインで納付可能となっていますが、多くの選挙管理委員会では電子形式の預納証明書を受理しておらず、法務局で紙の原本を発行・提出する運用が依然として求められています。制度と現場運用の間に乖離が存在しています
- CD-R提出やPDFでの書類作成など、古い慣行が温存
- 選挙公報などの提出書類では、CD-Rでの提出が求められる場合があります。
- また、PDFファイルで様式が配布されることもあるため、専用ソフトによる加工や印刷・手書きによる記入が必要となることがあります。こうした非効率な形式依存が、事務作業の負担を増大させています。
- 短期間に集中する手続きと、情報の重複提出
- 事前説明会から事前審査までわずか数日しかなく、その間に移動をしつつ、供託・戸籍取得・住民票・委任状・事務所届・政見放送などを同時並行で準備する必要があります。
- 加えて、各選挙管理委員会により必要書類や記載ルールが異なり、同じ情報(例:候補者名や住所)を何度も転記させられる構造になっています。
- このような短期集中・多重入力の負担は、特に参議院選挙のように全国を対象とする選挙では、地方に拠点を構えることが困難な新興政党にとって大きな障壁となっています。
- 移動・時間・費用面での制約が候補者の多様性を阻害
- 庁舎への訪問や書類の郵送などにかかる時間や費用は、物理的・経済的な負担となっており、地方在住者、海外在住の日本人、平日に時間を取りづらい層にとって立候補の大きなハードルとなっています。その結果、立候補機会における地域・環境間の格差が生じ、候補者の多様性確保にも影響を与えています。
- 証紙ビラなど“紙中心の運用”が人的・時間的リソースを圧迫
- 選挙運動においても、証紙付きビラの貼付作業、ポスター掲示、ハガキの印刷・送付など、多くの工程が紙を前提としており、候補者・支援者にとって過大な物理作業となっています。
- 特に証紙ビラは、規定枚数分に1枚ずつ証紙を貼る必要があり、告示後の限られた時間の中で人手と時間を大量に消費します。
- そのため、新人候補や地方・若年層の立候補機会を制度的に制限している構造につながっています。
- 選挙運動においても、証紙付きビラの貼付作業、ポスター掲示、ハガキの印刷・送付など、多くの工程が紙を前提としており、候補者・支援者にとって過大な物理作業となっています。
政策概要
- 誰もが立候補しやすい選挙へ:“フルオンライン届出”を段階的に実現
- 電子手続を全国統一運用へ
- すでに可能となっている「供託ねっとによるオンライン納付」や「事前審査前のメール等での事前チェック」「事前審査のオンライン予約」など、実証済みの仕組みを全ての選挙管理委員会で共通運用できるよう整備します。
- これらの法改正が不要な部分については、例えば総務省通達や業務ガイドラインにより統一ルールを策定し、速やかな運用開始を目指します。
- 一方で、法改正が必要な手続きについては、法的な真正性とセキュリティなどの観点で慎重な対応が必要となるため段階的に進めます。
- 例えば、「届出書類の電子署名・電子提出を紙と同等とみなすための法整備」、「マイナンバーカードを活用した本人確認プロセスの導入」、「書類一式のクラウド保存、タイムスタンプ運用による「厳封相当」措置の導入」については慎重な検証を通した上で段階的に対応します。
- その際、提出記録や操作ログを保存するなど、セキュリティ・訴訟耐性も確保する想定です。
- 手続きの重複をなくし、全国で使いやすい様式へ
- 所・氏名・政党名・略歴などの繰り返しの同一の記載をなくすため、統合入力フォームを整備し、1回の入力で複数様式に自動展開します。
- 加えて、様式・記載要領・メタデータ設計を仕様として標準化し、自治体ごとの記載揺れや独自欄をなくし、公平性と審査効率、ミス削減の両立を図ります。
- デジタル庁・総務省と連携した技術基盤の構築
- 行政手続標準化の共通API(GSS)に「公職選挙手続き」を追加し、住民票・税務情報と同様に各種選挙手続きをAPI経由で処理できる構造を検討します。
- 導入に負担の少ない汎用的な業務テンプレートを整備し、予算や人材が限られる自治体でも安定的に運用できるよう配慮します。
- 運用現場に配慮した“併存フェーズ”の設計
- これら全てを短期間で実現するのは無理であるため、例えば「紙・電子どちらも可」とする併存期間を3年程度設けるなど、現場が無理なく移行できる設計にします。
- 現在の印刷・審査実務を理解したうえで、電子的に編集可能・自動チェック可能な汎用フォーマットへの段階的移行を進めます。
- 選挙運動における“紙前提の制度”も段階的に見直します
- 証紙ビラの手貼り制度については、ビラへのシリアル番号・電子署名の一体印刷などによって、作業負担の軽減と真正性の確保を両立する仕組みへの移行を検討します。
- あわせて、法定枚数の上限制度を、ネット媒体と紙媒体を一体で管理できる費用上限制度へと再設計することも選択肢とします。
- その際は、電子台帳による配布管理やログ保存を組み合わせることで、透明性を担保しつつ、現場の負担軽減と制度的信頼性の両立を図ります。
- さらに、音声読み上げ・多言語対応などのアクセシビリティ施策を拡充することで、情報の届け方そのものを多様化し、「紙が前提」となっている現行制度を超えた、誰もがアクセスできる“開かれた選挙”の実現を目指します。
議論されているトピック
比例性の高い選挙制度へ改革する構想
死票を減らし多様な民意を反映させるため、衆議院の定数削減議論に合わせ、小選挙区比例代表併用制や選好投票などの選挙制度の構造的改革を検討する。
負担の少ない時期に選挙を実施する
酷暑・厳冬期における有権者や候補者の負担軽減、および受験シーズンの騒音による学習環境への悪影響を避けるため、選挙を実施する時期のあり方について検討を行い、適切な時期への調整を図る。
みんなからの提案(2件)
このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。
内容の追加2026年1月28日
「選挙運動における紙前提の制度も段階的に見直します」の項目に、「受験シーズンの学習環境への配慮や、酷暑・厳冬期における有権者・候補者の負担軽減の観点から、選挙時期のあり方についても検討を行う」旨を追記する。
理由: 真夏や真冬の選挙が有権者や候補者の負担になること、および受験シーズンの選挙カーの騒音が受験生の学習を妨げることを避けるため。
内容の追加2026年1月27日
「4. 選挙現場の負担に寄り添い、届出手続・運用のデジタル化を進めます」周辺または新規項目として、衆議院議員の定数削減などの議論に合わせ、選好投票、単記移譲式投票、および小選挙区比例代表併用制(MMP)の導入を検討し、死票を減らし多様な民意がより正確に議席に反映されるよう、選挙制度の構造的な改革を推進する記述を追加する。
理由: 議員定数削減の議論がある中で、現行の並立制よりも比例性が高い並用制(MMP)や選好投票等を導入することで、死票を抑制し、より多様な民意が反映される議会を実現したいため。