1. 抜本的な経済支援としての「子育て減税」を導入します

現状分析・課題認識

  • 子育てには、食費、教育費、衣料費など、成長に伴い継続的かつ多岐にわたる経済的負担が生じます。この負担は、子どもを持つことへのためらいや、理想の数の子どもを持てないといった「理想と現実のギャップ」を生む大きな要因となっており、少子化の背景にある重要な課題です。
  • 現行の児童手当は貧困対策と次代の社会を担う児童の健やかな成長を目的とした重要な制度ではありますが、少子化対策として設計されたものではありません。
  • 各種リサーチでは、一律的な現金給付は低所得世帯にのみ出生率向上の効果がみられるとの指摘があります。
  • 現金給付の少子化対策としての効果については、国際的に様々なリサーチがありますが、給付規模・政策目的・既存の制度との関係・給付頻度・時期などが異なることから比較は難しく、普遍的な解はまだ見つかっていません。
  • 保育所の充実や育児と両立可能な働き方の実現、子育てサポートサービスへのアクセス向上などと両輪で、未来への大胆な投資として子育て世帯にどのような経済的支援を行うべきか、その検討が喫緊の課題です。

政策概要

  • 児童手当は「貧困対策および次代を担う子どもの健やかな成長のための制度」として位置づけを明確化
    • 少子化対策と混在させず、あくまで子育て世帯の生活基盤を支える給付として位置づけを明確化します。
    • 煩雑化している給付事務については、給付条件の見直しや給付方法の効率化、国からの直接給付などに取り組み、地方自治体の給付事務にかかる工数を下げ、職員の方々の貴重なリソースはほかの子育て支援策に割いていただけるような仕組みを作ります。
  • 「子育て減税」による子育て世帯の所得税抜本引き下げ
    • 児童手当とは別に、新たな少子化対策としての「子育て減税」を導入します。本政策は、「子育てをする親に対し行動変容につながるレベルのインパクトのある支援をする」ことをコンセプトにしています。
      • 「一律的な現金給付が低所得世帯以外に出生率向上効果を示さない」という研究結果は、現金給付額が所得に占める相対的な割合が低い場合、出産・子育てに関する行動への影響が限定的であることを示唆しています。この分析に基づき、私たちはより効果的なインセンティブ設計を検討しました。
      • 一律の金額ではなく、所得に応じて還元金額を調整し、子どもを育てる一人ひとりが「国が子育てを支援している」と感じられる制度を目指します。
    • 具体的には、「子どもの数に応じて親の所得税の税率を定率で下げていく」という制度を提案していきます。
      • 例えば、子ども1人で所得税率がマイナス5ポイント(例:23%→18%)、2人になるとマイナス10ポイント(例:23%→13%)、3人になるとマイナス20ポイント(例:23%→3%)というように、段階的に減らします。
      • 4人以降についても1人当たり5ポイントずつ上乗せするなど、多子世帯の負担がしっかりと軽減され、子どもを持つことへの不安を払拭するだけのインパクトを生み出すことを狙います。
    • 高所得者が青天井で税額還元とならないよう、所得が一定額を超えると緩やかに減税率が減少する仕組みを導入します。
      • 現金給付による動機づけ(インセンティブ)は、一定以上の所得水準を超えると効果が限定的になるという認識に基づいています。子育て世帯の世帯年収中央値付近など、ボリュームゾーンにあたる層をメインとし、大きく所得が上回る層には、適切な減税額となるよう調整します。
      • 所得制限のような崖を設けるのではなく、なめらかに漸減する関数とし、所得が高くなるにつれて一定の減税額に収束するような制度とします。
    • 「子育て減税」は、共働きの場合は両親の双方の所得税率に適用します。育児と仕事の両立の苦労が、しっかりとお子さん・家族に還元される仕組みを目指します。

議論されているトピック

保育料の段階的な引き下げを優先する

低所得世帯への恩恵が薄い減税措置よりも、全世帯に直接的な効果がある保育料の引き下げを優先する。財政負担を考慮し、完全無償化ではなく段階的な負担軽減を推進することで、政策の公平性と現実性を確保する。

出産育児給付を大幅な現金給付へ転換する

既存の減税策を廃止し、第1子に700万円、第2子以降に1,000万円を節目ごとに分割支給する大規模な現金給付へ転換する。男性育休を促進する加算や、母体の健康を考慮した出生間隔による調整を導入する。財源は行政コストの削減や組織解体により捻出する。

多子世帯支援の判定を累計出生数にする

多子世帯向けの減税や手当、保育料減免の判定基準において、子供の年齢制限や同時在園といった条件を撤廃し、実親としての累計出生数を基準とするよう見直します。これにより、年の離れた兄弟がいる家庭や、子供を亡くした家庭、ステップファミリーなどが支援から漏れる現状を解消し、多子世帯への公平な経済的支援を実現します。

みんなからの提案(15件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

方針への異議2026年1月28日

「子育て減税」の項目を削除し、「出産・育児給付」へと全面的に内容を差し替える。具体的には、第1子に合計700万円相当、第2子以降に合計1,000万円を支給する制度とし、妊娠後期から18歳までの節目(妊娠後期:100万円、出産直後:150万円(父枠50万円)、生後12か月:75万円、生後24か月:75万円、生後36か月:75万円、生後48か月:25万円、生後60か月:25万円、生後72か月:25万円、3歳:100万円、12歳:100万円、18歳:250万円)に分割して給付する。また、男性育休や時短勤務の一部補填として「父枠50万円」の設定して男性の子育て参加を促すことや、母体の健康保護および出生数の山化抑制を目的とした「出生間隔に応じた給付率の調整(18か月未満:0%、18-23か月:50%、24-35か月:80%、36か月以上100%)」を盛り込む。

理由: 現在の所得税減税案よりも、多子世帯の教育費負担(第三子ブレーキ)解消や男性の育児参画、母体の健康に配慮した具体的な給付スケジュールの方が、実効性が高いと判断したため。

方針への異議2026年1月28日

所得税の減税方式を、現行の「税率のポイント減」から「算出された所得税額に係数(%)をかける割合方式」に変更する。具体的には、年収500万円時点なら1人:70%、2人:40%、3人:10%とし、100万円あたり1ポイント増減する直線関数を導入する。年収0円から1500万円までをこの関数で結び、1500万円以上は同率で固定することで、所得の壁を作らず、低・中所得者にも3人目のインセンティブを損なわせず、低所得層ほど手厚い減税率となる設計とする。併せて、個人の減税率を可視化するシミュレーションサイトを構築する。

理由: 累進課税ではポイント制よりも割合方式の減税の方がインパクトが直感的に伝わり、行動変容を促しやすい。また、所得税収の多くをごく僅かな高所得層が担っている財政構造上、財源への影響が低く子育て世代に多い低・中所得者への大幅な減税は出生率の増加を効果的に促せるため。

内容の追加2026年1月28日

「子育て減税」において、所得税額から控除しきれない減税分については、差額を給付(還付)する仕組みを導入し、若年層やシングル親世帯等も十分な恩恵を受けられるようにする。また、対象となる子の年齢については、大学卒業等の22歳までを視野に入れつつ、実態に即した適切な範囲を議論し明確化する。

理由: 所得税額が低い20-30代やシングル世帯が、減税の恩恵を十分に受けられないケース(控除不足)を解消するため。また、現行で不明確な対象年齢を、経済的負担の大きい学生(22歳程度)まで含めて検討すべきという意図。