6.子育てを切れ目なくサポートするデジタル母子パスポートを実現します
現状認識・課題分析
- 現在の母子手帳は紙媒体が主流であり、妊娠中の体調が不安定な時期に受け取りに行く手間や、紛失のリスクがあり、それによってワクチン接種記録などが確認できず、適切な時期に必要な医療や予防接種が受けられなくなるケースがあります。
- また、妊婦健診の受診券・補助券の手続きや、産後の煩雑な予防接種のスケジュール管理、医療機関での予診票の都度記入など、アナログな手続きが保護者の負担となっています。体調がすぐれなかったり忙しい時期に何度も名前や住所を繰り返し書く作業は、負担として蓄積しています。
- また、妊娠の経過によっては妊婦健診の回数が増え、自治体から発行されている受診券・補助券の枚数が不足し全額自己負担となるケースがあり、経済的にも負担になっています。さらに、出産にかかる費用は、地域によって大きく異なるだけでなく、個々の妊娠経過(合併症の有無、帝王切開、入院期間の延長など)によっても大きく変動します。しかし、現在の出産育児一時金は一律支給であり、こうした個別の負担増に十分対応できていないという課題があります。
政策概要
- 母子健康手帳をデジタル化し、「デジタル母子パスポート」を創設します。その際、個人情報の保護を徹底し、アクセス制御や暗号化など万全なセキュリティ対策を講じます。
- 子ども家庭庁で検討されている母子保健DXの動きを強く推進します。
- 希望者には従来の紙の母子健康手帳も引き続き提供し、選択できるようにします。
- これにより、スマートフォン等からいつでもアクセス可能となり、保護者はもちろん、その配偶者や他の家族も、本人の同意のもとで必要な情報を共有できるよう設定できます。また、つわりの時期などに無理して役所の窓口等へ行く必要がなくなります。
- 妊婦健診の受診券・補助券も、対象者に自動的にデジタル付与する仕組みを構築し自治体に提供することで、手続きの手間を省きます。医師の診断情報を基に、必要な人に必要な回数の補助がいきわたる仕組みを構築します。
- なお、現在一部自治体のみにとどまっている「妊婦健診は原則全額公費負担」の拡大を目指し、必要財源の確保や国から自治体への交付の最適化を検討します。
- より頻回の健診が必要となる多胎児妊娠のケースでは、現在も「多胎妊娠の妊婦健康診査支援事業」で追加分の健診費用の一部助成をしていますが、デジタル母子パスポート上で自動で最適枚数が付与される仕組みを実装することで、自治体間の差をなくしていきます。
- 産後の予防接種スケジュールも、厚生労働省が推奨する標準的なロードマップを基に、パスポート内で分かりやすく管理します。適切な接種時期が近づいた際のプッシュ通知はもちろん、ワクチンの種類ごとの接種間隔や同時接種の可否といった複雑な情報も明示します。また、保育園の行事など個別の予定を登録することで、それらと重複しないように接種計画の調整を助ける機能も提供します。さらに、予防接種の予診票もオンラインで事前入力可能とし、住所や氏名などの基本情報を毎回記入する手間をなくし、医療機関での待ち時間短縮・自治体の予診票送付などの事務工数削減にもつなげます。
- 国が推進する医療DXとも連携し、マイナンバーカードを活用したお薬手帳とも連携します。これにより、より正確で迅速な情報共有を実現し、保護者の負担減・子どもの受ける医療の質向上を目指します。
- また、医療機関での受診履歴や検査結果などの情報を保護者の同意のもとで行政と共有することにより、発達障害が認められる場合など、特定の条件を満たす家庭に対して、特別児童扶養手当や児童福祉手当などの経済的支援が自動的に届くようなプッシュ型の支援体制の構築を目指し ます。子育てや、何らかの困難を抱える保護者にとって、複雑で多岐にわたる申請手続きは、時に必要な支援策の存在に気づけない、あるいは申請を諦めてしまうといった事態を生み出すほどの大きな障壁となっています。こうした申請主義の課題を克服し、必要な支援が迅速かつ確実に届くようにします。
- なお、デジタル母子パスポートの運用にあたっては、子ども自身の情報アクセス権を尊重し、成長段階に応じた情報共有のあり方について、関係者間で検討を深めます。
議論されているトピック
子ども用品の不当転売を規制する
子ども向け用品の不当な買い占めや転売を抑制するため、事業者に対して対策を義務付ける。デジタル母子パスポート等を活用し、実需に基づいた公正な流通システムを構築することで、必要な家庭へ適正価格で商品が届くようにする。
紙の母子手帳発行とデジタル同期を必須とする
デジタル母子パスポートの導入にあたり、紙の母子健康手帳の希望制を廃止し、全世帯への原則発行を維持する。災害や通信障害時でも健康情報や接種記録を確認できるよう、アナログとデジタルの完全同期を義務付ける。
みんなからの提案(2件)
このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。
内容の追加2026年1月27日
「子育て」ポリシーの各項目、または新設項目において、子ども向け用品の不当転売を抑制し、必要とする家庭へ確実に届ける仕組みを構築する。具体的には、事業者に対して買い占め防止や子育て世帯への優先販売などの対策を義務付けるとともに、デジタル母子パスポート等を活用して実需に基づいた公正な流通を実現するシステムを検討する内容を追記する。
理由: SNSなどで社会問題化している、子ども向け限定商品等の買い占め・転売によって、本来必要とする人が適正価格で購入できない現状を改善するため。
方針への異議2026年1月26日
「6.子育てを切れ目なくサポートするデジタル母子パスポートを実現します」の項目において、紙の母子健康手帳を希望制ではなく、原則として全世帯へ発行し、デジタルデータベースとの併用・完全同期を必須とする記述に変更する。
理由: 災害、停電、通信障害といったオフライン環境や緊急事態において、デジタル端末が使用できない状況でも母子の健康情報やワクチン接種記録を確実に確認・保持できるようにし、アナログの堅牢性を担保するため。