13. テクノロジーで『雇うだけ』を超えていく:障害者も企業も無理なく続けられる雇用支援へ
現状認識・課題分析
- 法定雇用率制度は、障害者雇用の推進に一定の役割を果たしてきました。多くの企業が制度に基づいて取り組みを重ねてきた一方で、「雇用率の達成」が目的化しやすい構造があることも否めません。就労後の定着や働きがいといった“その先の支援”にまで十分に光が当たらず、制度設計上も評価されにくい現状があります。
- 就労移行支援や特別支援学校における職業訓練が、依然として紙資料の整理や手工芸などに偏っており、企業の実務で求められるスキルとの間にギャップが生まれています。AIやDXの進展に伴い、訓練内容の時代適合が急務となっています。
- 制度の対象となる常用労働者40人以上の企業が少ない地域では、制度自体が適用されず、そもそも障害者が働く選択肢を持てない「雇用の空白地帯」が広がっています。
- 特に中小・小規模企業では、障害者を雇いたい意欲があっても、ケアや支援を担う人材が不足しており、「支えられないから雇えない」というジレンマを抱えています。
- この構造は、障害者の就労機会を奪うだけでなく、企業にとっても人手不足を解消するチャンスを失う結果となっています。
政策概要
- 本人向けの業務ナビゲーションツール(ルビ付き文字・ピクトグラム・音声などを組み合わせたアプリ)を普及させ、支援者不在でも業務理解が進む環境を整備します。
- 支援機関や特別支援学校での訓練内容が時代に即したものとなるよう、AIやデジタル教材を活用し、教育・支援者自身のスキル更新や情報アップデートを継続的に支援します。
- 企業担当者向けのAIコーチ機能(特性ごとの支援ヒント、対応マニュアルの提案など)を開発し、初めて障害者を受け入れる企業でも対応できるよう支援します。
- 就労支援者と企業・本人をつなぐ遠隔伴走支援システムを構築し、支援者が常駐せずとも継続的なフォローができる体制を実現します。
- 障害者雇用の定着状況や支援の質を可視化し、「雇うこと」だけでなく「続けられる支援」を行う企業が評価される助成制度に見直します。
- 地域の小規模企業が連携して障害者を雇用できる「シェア雇用モデル」を整備し、個社単独では難しい課題を地域ぐるみで支えられるようにします。
議論されているトピック
特性を活かした独立開業や起業を支援する
発達障害など組織適応が困難な特性を持つ人々を対象に、独立開業や起業を支援する国家プロジェクトを創設する。事業計画の作成支援やバックオフィス業務の代行、返済不要な給付金、および低利の制度融資をパッケージ化して提供することで、雇用の枠組みに捉われない経済的自立と、個々の特性を活かした自己実現を強力に後押しする。
短時間労働を障害者雇用率の算定対象とする
週20時間未満の短時間労働を障害者雇用率の算定対象に含めるよう基準を見直します。あわせて、短時間雇用に取り組む企業への助成金を拡充します。障害の特性により長時間勤務が困難な当事者の就労機会を確保し、企業側が短時間労働者を受け入れるインセンティブを強化することで、多様な働き方による社会参画を促進します。
障害者雇用率制度を廃止する
現行の障害者雇用率制度を廃止し、企業の自由な採用活動を促進する方針への転換を提案します。雇用義務という規制をなくす代わりに、経済成長によって得られた税収を障害者本人への直接的な給付金として還元する仕組みを構築します。企業活動の制約を取り除きつつ、直接給付によって当事者の生活を保障する新しい福祉モデルを提示します。
みんなからの提案(3件)
このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。
マニフェスト8項(福祉)13項の『現状認識』および『政策概要』に、短時間労働に関する記述を追加・変更する。具体的には、『現状認識』において週20時間未満の労働が法定雇用率の算定対象外であるために職を失う課題を追記し、『政策概要』に短時間労働も算定対象に含める基準の見直しと、短時間雇用に取り組む企業への助成金の拡充や支援策の強化を追記する。
理由: 障害の特性により短時間しか働けない人の就労意欲や能力が、現在の法定雇用率の算定基準(週20時間以上)によって制限されており、企業側の受入インセンティブも不足しているという当事者の実体験に基づいた課題を解決するため。
マニフェスト13項の「障害者雇用支援」に関する記述を加筆する。具体的には、障害者雇用率制度を廃止し、企業の自由な採用活動を促進する方針へと変更する。さらに、経済成長による増税収を、障害者等への直接的な給付金の増額に充てる内容に変更する。
理由: 企業の「足かせ」となっている雇用率制度を廃止して自由な採用活動を可能にし、経済成長を優先。その成果を直接給付という形で当事者に還元することで、経済成長と福祉の両立を目指すため。
「13.雇用支援」の中に、独立開業・起業による『特性を活かした自己実現』支援の項目を追加する。具体的には、国家プロジェクト『好きなことを突き詰めて、働いて働いて働いてプロジェクト』を創設し、事業計画作成支援、バックオフィス業務の代行、返済不要な給付金制度、および信用保証協会の確実な保証による最大600万円の制度融資体制を整備する。
理由: 高い能力や過集中の特性を持ちながら組織適応が困難な発達障害者が、雇用の枠組みで挫折し家族共々経済的困窮に陥ることを防ぐため。特性を強みとして活かせる独立開業を選択肢として提示し、経済的自立を支援する。