14. 介護テックの開発と導入に大胆に投資し、介護従事者の人手不足を解決するとともに、被介護者のQOL(生活の質)の向上を目指します

現状認識・課題分析

  • 介護事業所の約8割が人材不足を感じており、厚生労働省の推計では2026年には約25万人、2040年には約57万人の介護士が不足するとされ、深刻な状況が継続しています。このままでは介護を必要としているにもかかわらず必要な支援を受けられない「介護難民」がさらに増加する可能性が高く、介護分野の職員の業務負担軽減、生産性向上は急務となっています。
  • 介護事業所のICT導入率は低く、主な阻害要因として、導入コストの高さ、ICTスキル・業務プロセスマネジメント能力を持つ職員の不足、システムの複雑性、補助金申請の煩雑さが挙げられます。現場の介護職員の負担は増大しています。

政策提言

  • 介護産業を医療産業と同様に日本の基幹産業の1つとするべく、包括的介護テクノロジー推進戦略を策定します。
    • 2040年問題を見据え、介護テクノロジーやAIを活用した革新的なソリューションの開発と普及を加速させることが不可欠です。研究開発から現場導入までを一貫して支援する体制を構築し、スタートアップや新規参入企業への包括的な支援策を強化します。その際、介護特有のマーケット構造をベースとした戦略化を行います。
    • 研究開発への支援策は「科学技術」の項目をご参照ください。
  • テクノロジー導入支援策を拡充し、業務の負担軽減と被介護者のQOL向上に貢献します。
    • 介護テクノロジー導入支援事業による補助金や開発支援の対象を拡大するとともに、補助金上限金額の見直しや申請プロセスの簡素化を進めます。申請業務の徹底的なデジタル化と必要データの見直しにより、現場の負担を軽減します。
    • AI・ロボット活用技術の積極活用を進めます。見守りシステム、介護ロボット(移乗支援、入浴支援、排泄支援、見守り、移動支援、AIコミュニケーションロボット等)の導入を促進し、被介護者のQOL向上に貢献する他、介護従事者の負担軽減、離職率の低下に繋げます。
    • 介護ケア記録のデジタル化をベースに、そのデータを活用してAIによるリコメンドやアラートなど、ケアプランが指向する個々人の状況に応じたケアの実現と質の向上を実現するとともに、介護従事者・事業所のデータも活用することで業務全体の効率化を図り、介護従事者の負担を軽減します。
  • 介護業務のDX推進に向けた体制を強化します。
    • 介護DXを推進するための、国、地方自治体、関係団体、介護事業所、介護職員、それぞれに求められる役割の明確化と、実行のための、分析、プランニング、実行、振り返りというPDCAの各段階への資金的支援、ノウハウ提供、伴走支援策の充実とプロジェクトマネジメントの徹底を、ITシステム導入ノウハウを活用して進めます。
    • デジタル庁が進める生産性向上のダッシュボードをさらに進化させ、PDCA施策を強化するとともに、在宅系サービスのテクノロジー活用と生産性向上のためのKPI設定とその活用策を強化します。
    • 介護職員のAI・テクノロジー活用スキル向上のための体系的教育プログラムを構築し、各地域に専門人材の配置とオンボーディング研修を充実することで、推進に必要なリソース量を確保しつつ、継続的な支援体制を確保します。
  • テクノロジー活用推進・介護従事者の待遇改善を目的とした介護報酬体系の改定の検討を進めます。

議論されているトピック

介護従事者のデジタル習熟を支援する

介護現場のデジタル化を促進するため、現職の介護従事者や小規模事業者に対するIT研修・勉強会を実施するとともに、専門学校等の教育カリキュラムにシステムの運用・理解に関する項目を追加する。デジタルへの苦手意識を払拭し、人的な習熟支援を強化する。

福祉分野へフィジカルAIを重点投資する

日本の強みであるフィジカルAI技術を福祉や介護分野へ重点的に投資し、現場への実装を推進する。特にAIによる虐待予兆検知システムなどを導入することで、施設内での安全確保とケアの質向上を図る。先端技術を活用して介護職員の負担軽減と、重度障害者等の生活の質を向上させるための具体的な技術実装を目的とする。

重度障害や医療的ケアの専門家を育成する

重度障害者や医療的ケアが必要な層への支援を強化するため、公的主体による専門家育成と適正な待遇保障を制度化する。現在の制度設計では不十分な専門性に見合う報酬体系を確立し、福祉現場の人材不足解消と質の高いケアの提供を目指す。また、1年以内のモデル事業開始と3年以内の恒久制度化という具体的なロードマップを策定する。

みんなからの提案(3件)

このセクションに対して寄せられた変更提案です。提案はチームみらいが検討し、採用されるとマニフェストに反映されます。

内容の追加2026年1月28日

「介護分野のDX・AI活用」に関連する項目として、現職の介護従事者や小規模事業者への研修・勉強会の実施、および介護系専門学校や資格講習のカリキュラムへのシステム理解・運用に関する項目の追加を盛り込む。

理由: 介護現場には高齢の従事者が多くデジタルへの苦手意識が強いことや、教育課程でITに触れる機会がないため、制度整備だけでなく人的な習熟支援が必要であるため。

内容の追加2026年1月27日

「AI・ロボット活用技術の積極活用」の項目において、特に資金力やリソースが限られている中小規模の事業所に対して、導入初期コストが経営障壁とならないよう、重点的な補助スキームを構築する記述を追加する。これにより、低賃金労働に依存せずテクノロジー活用と処遇改善を選択できる環境を後押しする。

理由: 企業の意思決定者がテクノロジー導入よりも低賃金労働力を優先してしまう現状を打破するため、特にリソースの乏しい中小規模事業所への重点支援が必要であると判断したため。

方針への異議2026年1月27日

「介護テックの導入格差是正と、ケアテック専門家による現場負担の抜本的軽減」という項目を新設、あるいは既存の介護テック・処遇改善項目に追加する。具体的には、1.赤字施設でも導入可能な直接補助金や税制優遇、介護報酬加算の強化、2.移乗介助ロボットや自動見守り・自動体位変換システムの導入最優先支援、3.テクノロジーを使いこなす「ケアテック専門家」としての教育と評価体系の構築、4.これらの技術の在宅・障害福祉への展開、を盛り込む。

理由: 元看護師としての現場経験から、人手不足とDX化の遅れが深刻な離職を招いているという強い課題意識があるため。特に、導入コストが障壁となっている現状を打破する経営支援と、移乗動作や夜間巡回などの身体的・精神的負担が大きい業務の自動化、および介護職の「3K」イメージを払拭する専門職化が必要であると考えている。